南摩ダムの付け替え県道工事は凍結すべきだ(その4)

2010-10-25

●付け替え県道を巡る議会質問はどうなっているか

2010-06-10鹿沼市議会一般質問で芳田利雄議員が南摩ダム建設に伴う付け替え県道工事について次のとおり質問をしています。

(芳田利雄議員)
最後ですが、南摩ダムの問題について伺います。
時間がないので結論だけ伺って答弁を求めたいと思います。
特に、今回提出しているのは、転流工の問題とつけかえ県道の問題です。この2つの事業ともダム本体工事が凍結になっているわけですから、無駄にならないよう、この事業もとりあえずは凍結するのが筋ではないかと、そのために市長に働いていただきたいと思いますが、この点、答弁をお願いいたします。

(佐藤信市長)
南摩ダムの関係についてお答えをいたします。
先ほど質問にございましたように、つけかえ道路等についてはダムが凍結されているという中で、中止ないしはこのまま凍結というようなことで、ということで、前回の議会のときに、芳田議員のほうから質問がございました。
私、ダムに対する基本的な見解は何回か述べさせていただいておりますけれども、ダム本体の是非については、利水県である下流圏の皆さんの状況等を十分把握をしていただいて、決定していただければいいのではないかと。しかし、関連する付帯事業等については、着実に進めてもらうのは前提ですということで申し上げてきたつもりであります。
その論法から言いますと、つけかえ道路についても当然推進をしてもらいたい道路であります。ただし、国のほうで8月をめどに検討がされているという状況でございましたから、あの時点で今そのことについて要望するのはいかがなものかということで時期尚早と言ったつもりであります。
したがって、その後の展開でありますけれども、水資源のほうで、やはり国の方針がある程度定まらないというか、国のほうの指示がないと、今年度予算の執行についてもなかなか難しいというような話も、実は伝わってまいりまして、それでは困ったことだということで、推進についてその国の方、ダム、水資源の方、さらに民主党の方にも伺って、その推進をお願いをしてきた、要望をしてきたと、こういういきさつでございます。
以上で答弁を終わります。

(芳田利雄議員)
分かりました。
ダム本体工事が凍結なのですから、150億円かけてとりつけ県道を造るのも無駄な事業になってはならないので、そういう点ではこの事業の凍結をする、これが正しいのではないかと思います。この点についてもう一度答弁お願いします。

(佐藤信市長)
特に、つけかえ道路でありますけれども、これは鹿沼市にとっては大変有効な道路だという認識を持っております。板荷から西大芦、加蘇、そして南摩を通って、いわゆる外環状的な役割も果たす、極めて有効な道路だというふうに思っていますので、これについてはぜひダムの帰趨はともかく、推進をこれからも要請をしていきたいと思います。
以上で答弁を終わります。

(芳田利雄議員)
質問を終わります。


●既存の県道の改修では足りないのか

芳田議員は、「この2つの事業ともダム本体工事が凍結になっているわけですから、無駄にならないよう、この事業もとりあえずは凍結するのが筋ではないか」と言っています。

これに対して佐藤市長は、「関連する付帯事業等については、着実に進めてもらうのは前提です」、「つけかえ道路についても当然推進をしてもらいたい道路であります。」と言っています。

議論がかみ合っていません。

芳田議員は、南摩ダムが検証の結果、中止になれば、付け替え県道は無駄になるから、これもまた凍結するのが筋ではないかと言っているのに対して、市長は、「関連する付帯事業等については、着実に進めてもらうのは前提です」と結論だけを言っています。

市長は、再答弁で「(付け替え県道は)外環状的な役割も果たす、極めて有効な道路だ」と理由のように述べていますが、既存の県道だって外環状線的です。

外環状線的な道路がなぜ130億円でなければならないのか、既存の県道の改修ではなぜいけないのかが争点であるべきだと思います。

(文責:事務局)
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