南摩ダムの付け替え県道工事は凍結すべきだ

2010-05-21

●付け替え県道工事は進められている

南摩ダムは現在凍結されていますが、その付け替え県道工事は進められているようです。

県道といっても、事業主体は県ではなく、水資源機構のようです。

2010-05-16発行の「せつ子レポート」で日本共産党県議野村節子氏が「トンネル4本、橋脚8本、総額130億円/南摩ダムのつけ替え県道は、ただちに凍結を!!」の見出しでこの問題を報じています。

せつ子レポートには次のように書かれています。

現在、水資源開発機構の思川開発・南摩ダムは、鳩山政権が打ち出した「ダム見直し」の対象となっており本体工事が凍結されています。

国交省は「新たな工事の段階に入らない」としていますが、すでに着工されている周辺道路整備などは工事が契約通り進められています。

そのなかには本体工事にかかわるつけ替え県道上久我都賀栃木線も含まれ、計画では山肌を切り土や盛り土で拓いて道を造り、6.2kmの区間に4本のトンネル、8本もの橋脚が建設されることになっています。事業費総額は130億円にのぼります。国の検討結果によってダムが中止された場合、ムダな道路となることは明らかです。

そのとおりだと思います。ダムが中止なら、トンネルも高架橋も要りません。

計画されている4本のトンネルのうち、1号トンネルと4号トンネルは既に着工していて、現在も工事中だという情報も入っています。

高架橋とトンネルでは、ゼネコンの独壇場であり、地元建設業者に仕事は回ってきません。

●政治家にとって建設業界を潤すことが最優先

2010-04-24下野によると、「鹿沼市の佐藤信市長と飯塚正人議長らが23日、国土交通省を訪れ、三日月大造政務官に思川開発(南摩ダム)事業に関する要望書を提出した。」そうです。「要望には福田昭夫衆院議員と松井正一県議も同席。」したそうです。

具体的な要望とは、「(1)ダム事業検証期間短縮と検証期間中の土砂災害対策の実施(2)「生活再建事業」の円滑実施(3)ダム事業に伴う「生活関連事業」の確実な実施」だそうです。

信頼できる筋からの情報によると、これらの要望の中に上記付け替え県道整備事業も含まれているそうです。

現在の権力者にとって、付け替え県道が無駄かどうかはどうだっていいのです。建設業者、特にゼネコンにカネが回ればいいのです。それなら民主党は「コンクリートから人へ」なんて言わなければよかったと思います。

現政権の下では公共事業中止の基準は、無駄かどうかではなく、既に着工したかどうかなのです。なんでこんな基準なのかというと、小沢一郎民主党幹事長の地元の胆沢ダムを中止したくないからだとしか思えないことは既に書いたとおりです。

●共産党のいう生活再建の意味が分からない

4月30日、日本共産党栃木県委員会と野村県議、鹿沼市議団は、福田富一知事に対し「思川開発・南摩ダム本体にかかわるつけ替え県道等の整備計画の凍結を求める申し入れ書」を提出したそうです。

その中に「ダムが中止されたとしても、国の責任で、生活再建を可能とする施策の実施を求め、そのためのあらたな法整備を国に求めること。また県としても地域の生活再建に尽力すること。」(上記「せつこレポート」)という項目があります。

共産党は「生活再建」と言いますが、移転対象者の生活再建は既に果たされているのではないでしょうか。

(文責:事務局)
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