2009-03-07下野によれば、日光市議会の一般質問の中で執行部が市の人口は20年後の2028年には75,000人にまで減少する見通しを明らかにしました。3月1日現在の日光市の人口は、約93,100人です。20年で20%減少するという見通しです。
日光市のの将来人口について国立社会保障・人口問題研究所が2005年の国勢調査結果を基に2007年に行った推計は次のとおりです。
2005年 94,291人日光市の推計は、国の推計とほぼ合致しており、まともな推計と言えると思います。人口推計は、あらゆる計画の基本ですから、人口推計がまともなら、種々のまともな計画が策定できると思います。
●鹿沼市は負の遺産を引き継ぐのか
鹿沼市の人口推計はどうかと言いますと、2007年3月に策定した鹿沼市総合計画では、
2011年 105,250人
2016年 105,300人
と、増え続ける推計をしています。
しかし、国の推計は次のとおりとなっています。(結果表氈@将来の市区町村別人口および指数からエクセル表をダウンロードできます。)
2005年 104,108人鹿沼市は、2011年の人口を105,250人と推計したのですが、2009年3月1日現在の人口は103,122人ですから、2,000人以上の差があります。(ちなみに、2006年1月の粟野町との合併時の人口は、104,052人でしたので、3年ちょっとで930人減っています。)人口の減少傾向が続く中、今後2年間で2,000人増えるとは思えませんから、鹿沼市の推計は過大である、というより、増えるか減るかの方向性の点で間違っていると言わざるを得ません。したがって、国による推計を参考にすると、2016年に105,300人という鹿沼市による推計は5,000人くらい過大であると思われます。
では、鹿沼市は、こうしたデタラメな人口推計を直ちに改めるのかというと、現在開催中の3月議会一般質問でのやりとりを聞いていると、次の5か年計画の策定時期まで見直さないという方針のようです。
過大な人口推計は、阿部前市長の負の遺産です。鹿沼市は、負の遺産をなぜ引き継ぐのでしょうか。
佐藤信市長は、県議時代に鹿沼市の人口推計が過大であることについて、市長というものは自分が市長の座に就いて人口が減りますという予測はできないものだ、と理解を示していました。要するに人口推計はタテマエであり、実際に推計が当たるかどうかよりも、市長の夢や理想を書けばいいということです。佐藤市長の考え方からすると、人口減少を見込んだ都市計画マスタープランを策定する日光市は、まともでないということになるのでしょうか。私には、日光市は当然のことをしているだけのように思えるのですが。
無駄な公共事業は、過大な需要予測、過大な人口予測が原因となっているのですから、間違った予測は、一刻も早く訂正してほしいと思います。佐藤市長の公約は、「子孫に負の遺産を残さない」なのですから。そして市長の公約は、「鹿沼市を第2の夕張市にしてはいけない」でした。鹿沼市が間違った人口推計を改めないのは、鹿沼市の経済を回すためなのかもしれません。しかし、鹿沼市の経済を回すためには過大な需要予測が必要だという考え方で市政を進めたら、鹿沼市は第2の夕張市になってしまいます。