水需要予測誤りを詫びないのか

2008-02-18

●鹿沼市水道事業第5次拡張計画が変更される

鹿沼市水道事業第5次拡張計画が変更される予定です。

「鹿沼市水道事業変更認可申請書(第5次拡張変更)」が2007年2月(1年前)に作成されています。この書類は、鹿沼市水道事業管理者が厚生労働大臣あてに提出する書類です。

2006年4月10日付けで日本上下水道設計株式会社宇都宮出張所と「第5次拡張事業変更認可設計書作成業務委託契約」を締結して作成した申請書です。

履行期間は、2006年4月10日から2007年2月28日までで、委託料は2,730万円もかかっています。

1年前に納品されていたのですが、議員は別として、ほとんどの市民はその存在を知らなかったと思います。

●水需要が50,500m3/日から37,800m3/日に減った

この変更計画の結論は、水需要(1日最大給水量)予測を50,500m3/日(2010年度)から37,800m3/日(2015年度)に減らすというものです。その差は12,700m3/日です。1人1日最大給水量を400リットルと仮定すると31,750人分の水です。これほど過大に推計していたことになります。水道のプロが推計して、なぜこれほど間違うのでしょうか。市民を愚弄するのもいい加減にしろと言いたいです。

ダム水を16,200m3/日取水するという点は変わりませんが、東大芦川ダムが中止となったので、南摩ダムから取水することにしたというのです。しかし、実際に取水する地点は南摩ダムの下流ではなく、南摩川の隣の隣の大芦川の御幣岩橋付近だそうです。

また、南押原地区で新規に水源井戸を掘ることはあきらめるそうです。

私たちは、50,500m3/日(2010年度)の予測は過大であるとかねてから主張してきましたが、鹿沼市は去年になってやっと水需要を減らす推計をしたというわけです。

●地下水で間に合う

鹿沼市上水道の給水能力は38,100m3/日で、水源は100%地下水です。水需要(1日最大給水量)が37,800m3/日なら、地下水で間に合います。

●水需要予測の誤りを市長は詫びないのか

鹿沼市は、"広報かぬま"(2001年10月25日号p8~13)で「鹿沼市の水事情パート5」を掲載し、50,500m3/日の水が必要だと広報していました。それだけの水が必要だから、東大芦川ダムにためた水を使う必要があると市民に対して宣伝してきました。

しかし、結局3万人分以上の見込み違いを犯していたわけです。

鹿沼市は、「1人1日最大給水量561リットルとする計画はあまりにも多すぎるのではないでしょうか」という市民の意見に対して、「行政の責任として安全な水を安定的に供給するために、この試算を基に許可を受けています」(上記広報かぬまp9)と大見得を切っていたのです。

阿部和夫鹿沼市長に水需要予測を誤ったことへの反省はないのでしょうか。鹿沼市が50,500m3/日という数字を出したのは、1996年のことであり、阿部市長の時代ではありませんが、議員として賛成していたと思いますし、2001年に市長として50,500m3/日が妥当であると宣言していたわけです。私たちが第5次拡張計画の水需要予測は過大であり、ダム水は必要ないと主張したのに、阿部市長は私たちの意見を退け、ダム事業促進への道をまっしぐらに突き進んだのです。

阿部市長は、水需要予測を誤りダム事業に参加する決定をしてしまったことについて市民に対して詫びるのでしょうか。

(文責:事務局)
フロントページへ>鹿沼市の水道へ>このページのTopへ