需要予測は茶番である

2006-11-21

●「いかようにも結論を出します」

姉歯秀次元一級建築士の偽装が断罪されていますが、行政需要の予測を生業とするコンサルタントによる偽装は罪にならないのでしょうか。

私たちはいろいろな自治体の水需要予測を見てきましたが、すべて過大な予測でした。鹿沼市の人口推計も水需要推計も過大であり、デタラメです。なぜ、デタラメな水需要予測が生まれるのでしょうか。根本の原因は、事業を実施する官庁側にありますが、需要予測業務を受注するコンサルタント側にもあります。

「データの罠 世論はこうしてつくられる」(田村秀著・集英社新書)p106には、「政策研究大学院大学福井秀夫教授の「官庁が使うコンサルタントは「いかようにも結論を出します」と豪語している。事業を正当化したい官庁と、受注が欲しいコンサルタントによる茶番にすぎない」(日本経済新聞、2002年12月6日)というコメントがこのことを如実に物語っている。」と書かれています。さらに、「需要予測値が、事業が成功するか否かを客観的に判断する材料としてではなく、目的達成の道具と化しているのである。」と喝破しています。

田村氏は、需要予測の妥当性を、第三者機関などによって計画段階からしっかりと検証」することが必要だと提唱しています。正論だと考えます。

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