水源がないのに給水区域が拡張している

2007-1-4

●鹿沼市長は水源がないから給水区域を拡張できないと言っていたはず

ダム反対鹿沼市民協議会は、2004年1月29日付けで水道事業見直しに関し鹿沼市長あてに公開質問状を出しました。同年2月10日付けで市長から回答がありました。質問と回答は、思川開発事業を考える流域の会のサイト内の水道事業計画見直しに関する公開質問・回答をご参照ください。

鹿沼市長は、私たちの質問には答えず、「第5次拡張計画は新たな水源が確保できないため、進捗しておりません。」「第5次拡張計画は新たな区域を加えたものであり、拡張するためには、新たな水源の確保が必要です。」と回答していました。

要するに、鹿沼市では新たな水源が確保できないから給水区域を拡張できないというのです。

しかし、鹿沼市は、新規水源が確保されていないのに給水区域を拡張しています。

●上南摩町が給水区域になった

2006年3月10日の鹿沼市議会一般質問において芳田利雄議員は、鹿沼市が2006年度から西部簡易水道と旭が丘簡易水道を統合することについて、どのようなメリットがあるのかなどと執行部に聞きました。

渡辺政夫水道部長は、「統合することにより、二つの簡易水道の水源が利用できることから、拡張する上南摩町に新たな水源の確保や新たな浄水場の建設をせずに安全な水道水の供給が図れるというメリットがあります。」と答弁しました。

芳田議員は再質問において、上南摩町まで給水区域を拡張してしまって水源が足りるのかと聞きました。

渡辺水道部長は、給水人口と1日最大給水量を見直したから水源は大丈夫だ、と答弁しました。すなわち、上南摩町の計画人口と現在の西部簡易水道と旭が丘簡易水道の給水区域の人口を合計すると4,360人だったが、推計をやり直すと2015年には3,460人になり、1日最大給水量も1,605m3/日から1,300m3/日に減ると推計したから、水源の水量は大丈夫というわけです。(これは、西部簡易水道の計画給水人口2,900人は達成不可能であることを認めたことになります。)

まさに、こうした水需要量の見直しを鹿沼市全体でやるべきだと私たちは主張しているのですが、鹿沼市はやろうとしないのです。

●下奈良部町などでも給水区域が拡張する

2006年7月以降、鹿沼市の上奈良部町、下奈良部町、南上野町及び茂呂の一部において、地下水からトリクロロエチレン、硝酸性窒素、亜硝酸性窒素が検出されました。

2006年12月の鹿沼市議会一般質問において、前田敏通議員が上記の地区のすべての家に水道管を敷設すべき、などと質問しました。

襲田利夫水道部長は、「地下水汚染の対策として、地区内全戸186世帯を給水可能とするため、全体延長約12.4kmの配水管敷設を2007年度末までに完了させたい」(2006-12-7下野新聞)と答弁しました。

またもや、新規水源が確保できないのに給水区域が拡張してしまうことになります。鹿沼市は、2004年には、「水源がないから給水区域を拡張できない」と言っていたはずなのに、矛盾してますね。鹿沼市では、水需要の見直しをやれば、今の保有水源でも余っているということを意味すると思います。

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