他自治体の例に学んだらどうか

2008-03-06

●水道料金値上げの4要因

08-02-16朝日新聞に橋本淳司というジャーナリストの意見が水道格差時代という見出しで載っています。

橋本氏は、水道料金値上げの要因は次の四つあると言います。

  1. 維持管理費の増大
  2. 利用者の地下水利用
  3. 巨大ダム建設のツケ
  4. 人口減少

●福島市の水道料金がダムのせいで上がった

橋本氏は、「2005年に約16%値上げした福島市のように、大規模ダムはできたが、工業用水需要が伸び悩み、事業を支えるために想定した水道料金では採算が合わなくなった例が代表的だ。」と書きます。ここで「大規模ダム」とは、摺上川ダムです。総貯水容量は、1億5300万m3です。

●鶴岡市の水道料金がダムのせいで上がった

橋本氏は、「山形県では、ダム建設による取水による水道事業の広域化で料金が上がった。」、「同県鶴岡市を訪ねると、「水がまずくなった」との声が聞かれ、福島市でも住民から直接、「まずい」「高い」という不満を聞いた。」と書きます。

鶴岡市の水道料金の値上げの原因を作っているダムは、月山ダムです。総貯水容量は、6500万m3です。鶴岡市では、水道料金が7年間で約1.85倍に値上がりしたといいます。2004年度で1日平均約37,000m3しか給水しないのに、月山ダムから来る水を日量72,000m3も買ってしまったらしいのです。

●江差町でも水道料金の値上げが検討されている

08-02-16読売新聞によると、北海道江差町でも隣の上ノ国町にできた上ノ国ダムの負担金を払うために水道料金の値上げが検討されているようです。

●水道料金は35年で5倍に

上記記事には、「日本水道協会によると、1970年に全国平均で1立方メートル当たり38.78円だった(水道水の)製造コストは2005年、5倍近い188.56円に。この間、企業物価指数は2倍程度しか上がっていないから、その上昇幅は大きい。」と書かれています。

「水道協会の羽根田卓一調査課長は「ダムへの投資や水質悪化に伴う高度浄水処理の導入などがコストを引き上げている」と分析する。」とも書かれています。

さらに、地下水利用がコスト削減策になるという意見を紹介します。「土壌がフィルターの役目を果たすため、一般に河川水より水質がよく、浄水費を圧縮できる」と書かれています。

河川水による原水と地下水による原水の違いについて、Water Watch Networkというサイトに全然違う!ダム水と地下水!というページがありますので、参照してください。

●いい加減他自治体の例に学んだらどうか

水道事業のためにダムは建設したが、水が余っているので、ダムの水を使わない、その結果水道料金が値上がりするという事例は全国至る所にあります。神奈川県の宮ケ瀬ダム、山口県の荒谷ダム等、枚挙に暇がありません。栃木県でも東荒川ダムの水なんて水道水に使われていません。

鹿沼市が思川開発事業に参加しても同様の事態になることは明らかです。南摩ダム下流では、栃木県内に広域水道計画さえありません。

"前車の覆るは後車の戒"ということわざもあります。鹿沼市は、いい加減に他の自治体の例に学んだらどうでしょうか。

鹿沼市は、なぜ南摩ダムの水を買わなければならないのか。その理由は、阿部市長に聞いてください。

(文責:事務局)
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