鹿沼市水道事業懇談会はどこまで検討するのか

2009-12-18

●住民参加で計画を作る気があるのか

2001年8月19日、10月22日及び12月15日に鹿沼市水道事業懇談会が開催されました。場所は不明です。

鹿沼市水道事業懇談会設置要綱には、「鹿沼市水道基本計画策定にあたり、広く意見を聴くため」と書いてありますが、委員15人のうち、公募委員は3人のみです。

水道基本計画は非常に重要な計画のはずですから、常に公開しながら進めるべきです。ところが、懇談会の会議録等、懇談会に関することは、12月18日現在、市のホームページに掲載されていません。

市は、水道基本計画について、今後パブリックコメントを募集するはずですが、市民が懇談会の資料や議事録も見せられない状態で、いきなり意見を募集すると言われても、問題点が分からない中で、どうやって意見を出せるのでしょうか。

市は、本当に意見を聴く気があるのなら、会議資料や議事録をホームページに載せるべきです。今年度中に意見をまとめるのは忙しいでしょうが、PDFファイルにして掲載するだけなら、大した事務量にならないはずです。

●市長の方針との矛盾をどう克服するのか

第1回会議の説明資料p9には次のような文章があります。

・「安定した水量の供給」を満たすためには、表流水取水が必要ではあるが、あらゆる想定による検討の余地がある。
・今後の需要推計によっては、給水量が認可水量よりも少ない値で推移し、表流水に依存する取水量については検討の余地が出てくる。

わけがわかりません。

第1文は矛盾しています。「あらゆる想定による検討の余地がある」のなら、「表流水取水が必要ではある」とは言えないはずです。あらゆる想定による検討をした結果、表流水が不要であるということになる可能性もあるはずです。(あらゆる想定をしなくても、表流水は不要ですが。)

第2文では、「表流水に依存する取水量については検討の余地が出てくる」と言っています。量については検討の余地があるが、その反面、表流水を取水すること自体は、検討の余地がないということでしょう。あらゆる想定をするのなら、取水すること自体を検討する余地も出てくるはずです。

とにかく、説明資料は、表流水を取水しなければならないという姿勢が見え見えです。しかし、佐藤信・鹿沼市長は、ダムの水は使わない、河川水の浄水施設は造らないと言っています。市は、市長の方針と矛盾する落としどころに懇談会を誘導するつもりなのでしょうか。

●平気でウソが書かれている

同じページに、「鹿沼市地下水調査報告書」(2004年3月)による上水道における適正利用量23,187m3/日は、「地下水賦存量から求めた適正な水量」と書かれていますが、全くのウソです。

地下水調査による適正利用量は、鹿沼市域全体の地下水賦存量とは無関係に、水源井戸の警戒水位から割り出した数字にすぎません。

説明資料は、地下水調査報告書に書かれている適正利用量を正しいものとして書かれています。鹿沼市上水道において地下水を23,187m3/日しか利用できないとなると、どうしても足りませんから、表流水を取水する必要があるという結論になります。

鹿沼市の水道基本計画におけるキモは、地下水調査報告書による適正利用量だと考えます。非科学的な地下水調査報告書に呪縛されていては、まともな結論は出るはずがありません。

第2回の説明資料では、「現在の適正利用量は、冬枯れの問題が生じた平成14〜16年調査に基づく『鹿沼市地下水調査報告書(平成16年3月)』で報告されたものであり、その再評価についても検討課題となります。」と書かれています。本当に検討するのかが見所です。

詳しくは、鹿沼市水道事業懇談会の問題点(ワードファイル384KB)にまとめましたので、興味のある方はご覧ください。

(文責:事務局)
フロントページへ>鹿沼市の水道へ>このページのTopへ