野村節子県議が南摩ダムについて質問

2009-04-01

●野村節子県議が南摩ダムについて質問した

2009年3月9日の栃木県議会の予算特別委員会で日本共産党の野村節子県議は、南摩ダムの利水計画について質問しました。

09-03-13赤旗は、次のように報じています。ちなみに赤旗以外の新聞は報じていないと思います。

野村県議は、国立社会保障人口問題研究所による人口予測が、ダム完成時(2015年)に197万8,000人、35年に174万4,000人と減り続けることを示し、県が過大な水需要を見積もっていることを指摘。

県が策定中の新規利水計画では、県全体の全利水量を毎秒1.04トンから0.82トンに減らしたことに照らしても「参画の根拠は崩れた」とただしました。

県の担当者は「地球温暖化による著しい降雨の変動などが予想され、将来にむけた水の安定供給のため、(ダム建設に)参加していく」と答弁。 福田富一知事は、野村県議の再質問に対し、「水需要を精査しろとの意見は重要な要素だ」とのべたものの、「地下水汚染も予想され、利水計画をすすめる必要がある」と答えました。

野村県議の質問は、極めて的を射た質問でした。これに対する執行部の答弁は、「動いても黒豆」の類いの苦しい言い訳にすぎませんでした。

●頼れるものは「地球温暖化」と「地下水汚染」

昔の行政は、「人口が増える、産業が発展する、だから水需要が増える」ことを理由に利水ダムの建設を推進してきましたが、今は、さすがに人口減少社会の到来を認めざるを得なくなり、昔から使ってきた理由を使えなくなりました。

そこで彼らが考えたのが、地球温暖化による気候変動と地下水汚染というわけです。

しかし、地球温暖化による異常気象により異常渇水が起きると想定するのなら、どの程度の渇水を想定しているのでしょうか。定量的な議論がありません。

南摩ダムは5年に1度の渇水に対応できるように計画されたダムです。それ以上の強度の渇水には対応できません。南摩ダムに参画すれば、異常気象による渇水に対応できる根拠があるのでしょうか。異常気象がそれほど心配ならば、参画水量を0.218トンも減らすのはおかしいと思います。それだけ減らしても大丈夫という根拠はあるのでしょうか。

また、人間による環境破壊が地球温暖化の一因であるとすれば、ダム建設や導水トンネルの建設という大規模な環境の改変をやるべきではありません。ダムや導水管により、気候や地下水脈がますますおかしくなる可能性も考えるべきです。

人口が減少すれば、産業の発展も緩和されますから、地下水汚染が進展する可能性は小さくなるでしょう。行政は、地下水汚染対策をしっかりやるべきです。地下水汚染対策をいい加減にやり、汚染されたらダムの水を使うという発想は本末転倒しています。

また、地下水が汚染されるおそれがあるという理由で、もっと容易に汚染されるおそれのある表流水を確保するというのも矛盾した話です。表流水は地下水よりも汚染されやすく、気候の変動の影響を受けやすいのですから、「安定供給」はダム事業に参画する理由になりません。

福田知事は、「水需要を精査しろとの意見は重要な要素だ」と述べたようですが、思川開発事業への参画等について2004年に住民訴訟を提起されても水需要の精査などしないのですから、やる気もないのに口先だけでいい加減なことを言うのはやめてほしいと思います。

(文責:事務局)
フロントページへ>南摩ダムへ>このページのTopへ