「広報おやま」は訂正記事を掲載するのか

2009-08-21

●「広報おやま」で新聞記事の誤りを指摘

2000-12-15「広報おやま」に次のように書かれています。

16万小山市民の母なる川、思川。古くは祇園城の自然要塞であり、そしてまた重要な交通水路として、地域住民の生命を見守ってきた川。その恵み多き思川に、小山の人々は愛情と敬意を寄せているのです。

そんな心の拠り所となる思川の水利権の問題がクローズアップされています。11月25日付の一部新聞紙上で、「小山市は思川に水利権を持っているが一滴の水も取水していない」との誤った報道がなされました。その後、26日付の新聞紙上に訂正記事が掲載されました。

実際には、小山市は思川からの取水なしでは、市民の生活そのものが成り立っていきません。そこで、市民の皆さんに小山市の水道事業に思川の水は不可欠であるという実態をお知らせします。

小山市は水道水として思川から、1日当たり羽川西浄水場(大字黒本771)では15,100トン、若木浄水場(若木町1−8−10)では28,100トン、合計43,200トンの水を取水しています(平成12年7月実績)。このうち水利権をもっているのが35,500トンで、実績との差は、思川開発事業を前提として与えられている暫定水利権9,850トンをほぼ全量取水して対応しています。

今後の水道需要の予測は、平成21年度頃には、現在より小山市の人口や水道水を飲む人が増え、1日当たり75,900トンの水道水量が必要になります。その水は、許可を得ている地下水および安定水利権を最大取水するとともに、思川開発事業によって生み出される約22,000トン(毎秒0.252トン)の水量に頼らなければなりません。

このように16万小山市民にとって思川からの水道水の確保は生存に係わる切実な問題であり、思川開発事業を推進させる必要があります。

市民の皆さんのご理解とご支援をお願いします。

このように小山市は、新聞記事の誤りを指摘するとともに、思川開発事業への理解と支援を市民に訴えました。

●「1日当たり75,900トンの水道水量が必要」か

小山市は、2000年12月に「平成21年度頃には、現在より小山市の人口や水道水を飲む人が増え、1日当たり75,900トンの水道水量が必要になります。」と市民に知らせていました。

しかし、現在既に「平成21年度頃」になっているわけですが、私が小山市に問い合わせたところ、2008年度(平成20年度)の小山市上水道における1日最大給水量は、47,471m3/日にすぎません。

2008年度に47,471m3/日だった1日最大給水量が2009年度に75,900m3/日になるでしょうか。1年間で1.6倍にも増えるでしょうか。そうは思えません。

2008年度末の小山市の給水人口は、私の調査によれば、139,580人ですから、1人1日最大給水量は340リットル/人・日です。1日最大給水量75,900m3/日という水量は、2008年度の1人1日最大給水量で割ると223,235人分の給水人口に供給できる水道水ということになります。この給水人口は、小山市の2009-08-01現在の人口163,549人よりも6万人も大きな数字になってしまいます。

したがって、「平成21年度頃には」「1日当たり75,900トンの水道水量が必要になります。」という記述は、誤りです。小山市の水需要予測は過大であったと言わざるを得ません。

小山市は、「平成21年度頃には」「1日当たり75,900トンの水道水量が必要になります。」という理由付けで「思川開発事業を推進させる必要」を市民に訴えていたのですが、過大な水需要予測を口実にしてダム事業を促進していたことを時間が明らかにしてくれました。

新聞がデタラメを書いたら訂正記事を載せるのは当たり前だと言わんばかりの広報記事を載せていた小山市ですが、小山市長は、市民にデタラメな水需要予測を示したことについて謝罪するのでしょうか。

「広報おやま」に訂正記事は載るのでしょうか。

(文責:事務局)
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