南摩ダムの付け替え県道工事は凍結すべきだ(その2)

2010-08-20

●ダム官僚は「そんなの関係ねえ」

ブログ「鹿沼市政ウオッチング」に先を越されています。

2010-07-19下野に「付け替え県道、中断を/南摩ダム工事で市民団体/中止なら130億円「無駄」」という記事が掲載されたことが「ダム付け替え県道工事は中止すべき」のページで紹介されました。

記事は、当該ブログをご参照ください。(ダムの再検証を推進母体が行う?これでは八百長ではないか!もご覧ください。)

ブロガーの佐渡ケ島氏が指摘するように、県砂防水資源課の担当者の「ダムは中止が決まった訳ではなく、検証中。付け替え県道ができないとダムに水をためられず、ダムの完成が遅れる」という発言は理解できません。現在「検証中」であれば、中止の結論もあり得るし、ましてや「ダムの完成が遅れる」のは当然です。

「ダムの完成が遅れる」という発言は、事業の継続を前提としています。事業の継続を前提とした検証とはどのような検証を想定しているのでしょうか。私には想定できませんが、県と国では想定しているのかもしれません。

福田富一・栃木県知事は、思川開発事業は検証すべきだと言っていたのですから、一般職の職員が検証の意義を否定するような発言をするのは、やりすぎでしょう。2009-12-03下野によると、福田富一・栃木県知事は、「2日の県議会代表質問で、全国のダム事業見直しについて「個別のダムごとの議論にとどまらず、国は流域全体の水需給を見直すべきだ。その中で本県の治水利水についても検証が必要」との考えを示した。」のですから。

大臣も知事も検証すると言っているのに、担当職員は「そんなの関係ねえ」というわけです。職務熱心は結構ですが、県民の利益は考えないのでしょうか。

●正論が通らないのか

2010-07-28下野に100点満点の論説が載ったことを2010-07-31赤旗が「工事続行を地方紙批判/栃木・南摩ダム県道付け替えで」の見出しで次のように紹介しています。

国交省が栃木県鹿沼市の南摩ダム本体工事を凍結したにもかかわらず、水資源機構と県がダム建設を前提に水没する県道の代わりにダム水位より高い位置に造る県道の付け替え工事を進めていることについて、地元の下野新聞28日付が批判的な論説を掲載しました。

論説はダムの結論が出るまで工事を中断すべきだと訴える市民団体の声を引用し「このような工事を続行することはダム事業、ひいては公共事業に対する不信感を増幅するだけだ」「仮にダム事業が中止になれば無駄な工事の責任は誰が取るのか」と指摘しています。

工事は、総延長6.4キロを4本のトンネルと道路で結び、水没する県道(上久我都賀栃木線)をダム湖面より高くして迂回(うかい)させるもので、総事業費約130億円、機構8割、県2割をそれぞれ負担。進ちょく率は予算ベースで約20%です。

日本共産党栃木県委員会は4月に同工事の中止を福田富一知事に申入れ、これを契機に市民団体や住民の間で「ダムの結論が出るまでは県道工事はやめるべきだ。税金を二重に無駄遣いすることになる」との声が広がっていました。

下野の論説は、極めてまともだと思いますが、栃木県議会には、この県道工事に反対する議員は野村節子議員以外1人もおらず、鹿沼市議会にも2人しかいないのが現状です。

(文責:事務局)
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