●中国電力がダムのデータを改ざんした
2006年10月31日の朝日新聞によると、「中国電力(本社・広島市、山下隆社長)が水力発電用に建設した土用ダム(岡山県新庄村)で、ダムの堤の高さの変化を測量した「沈下量」の数値が改ざんされ、国土交通省と経済産業省に提出されていた」そうです。
「91年の沈下量は60ミリに達した。しかし、CEC(中電技術コンサルタント)の担当者は、測量会社から提出された翌92年から97年までの計測データについては、沈み込みが収まり沈下量が変わっていないとするデータに書き換えて中国電に報告した。」
「改ざんされた元データのうち、92〜96年分は破棄されていたが、残っていた97年分は80〜90ミリの幅で推移していた。」とも書かれています。
さらに、「ダムの前後方向の移動量を示す「たわみ量」についても、改ざんされていた」(2006年11月1日付け朝日新聞)そうです。
データが改ざんされたことは中国電力本社幹部にも伝えられたが、国への報告や公表はなかったとのことです。
●データ改ざんの理由は何か
中国電力がデータを改ざんした理由について、データを計測する子会社CECの担当者が「92年分から、毎月の沈下量の計測値にばらつきがあり、説明がつかないと思って書き換えた」と朝日新聞は報じています。
生データに問題がなければそのまま報告したはずです。中国電力側は「ダムの安全性に問題はない」(上記朝日記事)と話しているようですが、改ざんは、する必要があったからしたとか思えません。
そもそも発端が末端の担当者の「思いつき」という話になっていることが怪しいと思います。
●データ改ざんは土用ダムだけか
問題は、ダムの沈下量やたわみ量に関するデータの改ざんは、中国電力の土用ダムだけで起きたことなのかということです。
ほかのダムでもデータの改ざんが行われていると考えるべきではないでしょうか。改ざんしなければならないほどの危険を示すデータが日本中のダムに相当数あると考えるべきでしょう。ということは、日本中のダムが相当数決壊の危険にさらされていると考えた方がよいのではないでしょうか。