裁判官はだれの味方か

2010-01-21

●千葉地裁で不当判決が出た

2010-01-19西日本新聞は、次のように報じています。

八ツ場ダム訴訟で住民敗訴 /千葉地裁、新政権で初判決

 国が建設を計画している八ツ場ダム(群馬県長野原町)は不要で事業負担金支出は違法として、千葉県の51人が県知事らに支出差し止めなどを求めた住民訴訟の判決で、千葉地裁(堀内明裁判長)は19日、訴えを退けた。住民側は控訴する方針。

 1都5県の住民が6地裁に一斉提訴したうち4件目の判決で、過去3件はいずれも住民側敗訴。訴訟は昨年6月に結審した。政権交代後の同9月、前原誠司国土交通相が建設中止を表明してから初の判決言い渡し。

 判決理由で堀内裁判長は「県の水需要予測が不合理とは認められない。治水効果がないとも言えない」として、県などの判断は違法ではないと述べた。
及川智志弁護士は、前原誠司国土交通相が八ツ場ダムの建設中止を明言していることに触れ「世の中は変わったが、裁判所は変わっていなかった」と落胆した表情で述べた。

 原告の入江晶子さん(44)は「ダムの必要性を説明できていない」と県の対応を批判した上で「行政の裁量を最大限に認める裁判所は誰の味方か。建設ストップを目指して闘いたい」と語気を強めた。  
 

「治水効果がないとも言えない」。

例によって裁判官の大好きな二重否定です。なぜ「効果がある」と、堂々と肯定表現できないのでしょうか。わずかでも効果があると認められればダム建設が許される。こんな薄弱な理由で巨額の税金を浪費できるのが日本の現状です。こんな裁判がいつまで続くのでしょうか。

●裁判官は官僚追随だった

上記記事の入江さんも言っているように、裁判官は、一体だれの味方なのでしょうか。だれのために判決を書いているのでしょうか。

自民党政権時代、ダム訴訟はほとんど原告敗訴でした。それは、裁判所が時の権力におもねっているからだと思っていました。

今、政権交代が実現し、八ツ場ダムは中止するとマニフェストに掲げた政党が政権を奪取したのですから、裁判官は、原告を勝訴させるのが道理と考えていました。ところが、新政権下でも原告敗訴です。裁判官は、権力の淵源を国民にも政治家にも求めず、官僚制度に求めていると見た方がよさそうです。この国は官僚でもっていると最高裁裁判官が考えているということになりそうです。

裁判官は、どんなに税金が浪費されても、自分の給料が減るわけじゃないから、こんな判決を平気で書けるのでしょうね。

裁判官は、どんなに環境が破壊されても、自分だけは官舎の中で豊かに生きていけると考えているのでしょうね。

(文責:事務局)
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