元首相銃撃事件はテロではない

2026-01-15

●小池晃は山上をテロリストだと言った

2025年10月29日付けの赤旗は、「2世被害の解明必要 小池書記局長が会見」の見出しで、安倍元首相銃撃事件裁判について、次のように報じています。

日本共産党の小池晃書記局長は28日、国会内での記者会見で、安倍晋三元首相を銃撃して死亡させたとして殺人などの罪に問われた山上徹也被告の初公判について問われ、「テロは絶対に許されない。山上被告の行為は厳しく批判されるべきだ。(以下略)」と述べました。

要するに、山上の行為はテロなのだから、普通の殺人より厳しく処罰すべきだと言っていると思います。

小池は、「テロは絶対に許されない。」と言いますが、初公判の日に、つまり、審理が全く進んでいない段階で、山上の行為がなぜテロだ断定できるのでしょうか。

殺人の動機は、調べないと分からないはずです。

それとも小池は、政治家が殺されたら、動機を問わずテロだと考えているのでしょうか。

動機を問わずに厳しく処罰すべきならば、「2世被害の解明必要」と言っていることと矛盾します。

●テロとは何か

小池のいう「テロ」とは「テロリズム」の略であることは明らかです。

では、「テロリズム」とは何か。

Wikipediaによれば、「テロリズム(英語: terrorism)とは、政治的な目的を達成するために暴力および暴力による脅迫を用いることを言う。「テロ」と略される。」と解説されています。

デジタル大辞泉は、「政治的目的を達成するために、暗殺・暴行・粛清・破壊活動など直接的な暴力やその脅威に訴える主義。」と定義します。

●政治的な目的達成が要件

要するに「政治的な目的を達成するため」が要件なのですが、山上被告にはこの要件が欠けています。

日刊ゲンダイのサイトの「山上徹也容疑者の全ツイートの内容分析から見えた、その孤独な政治的世界」を見ると、確かに山上はSNSで政治的な発言をしていたようですが、20251030東京の記事によれば、被告が事件前、「宗教2世」に関する著書がある島根県のルポライターの男性に送った手紙に「安倍の死がもたらす政治的意味、結果、もはやそれを考える余裕は私にはありません」と書かれていたことが法廷で明らかにされた、というのですから、「政治的な目的を達成する」という意図があったとは思えません。

日本犯罪心理学会のサイトには、「犯罪者自身が犯罪をするとき、自分の内面に何が起きているのか説明できれば簡単であるが、犯罪者がそれ、つまり動機を言葉で説明できるとは限らないし、研究者は関係する要因を踏まえて類推するしかない。」と書かれています。

研究者が研究として犯罪者の動機を類推することは勝手ですが、刑事訴訟において裁判所が安易な類推で動機を認定することは許されないと思います。

なぜなら、動機を含む情状は、刑の量定(いわゆる量刑)の重要な要素だからです。

量刑の標準について日本の刑法に直接の規定はありません。

しかし、団藤重光「刑法要綱総論(増補)」p421によれば、刑事訴訟法第248条が起訴猶予の標準として犯人の境遇や犯罪の情状などを挙げているのは、「量刑についても重要な標準を示すものと考えられ」ます。ただし、同条では、考慮すべき事項を列挙しているだけで、量刑を数値として導く方程式が示されているわけではありません。しかし、量刑が裁判所の全く自由な裁量に委ねられているわけではないということです。

また、総則部分については、1931年に国が作成した「改正刑法仮案」の第57条にも、刑の適用については、犯人の境遇や犯罪の情状などを考察すべきであると書かれています。

したがって、竹田恒泰のように、動機なんかどうでもいいから、死刑にしてしまえという考え方を検察が主張したとしても、裁判が採用するとは思えません。実際の検察の山上に対する求刑は無期懲役ですが。

●政治的目的という要件を満たすとは思えない

Wikipedia”安倍晋三銃撃事件”によれば、山上は、「前職の退職により、「金がなくなり、7月中には死ぬことになると思った」「その前に安倍氏を襲うと決めた」と供述している」のですから、どうせ自分がまもなく死ぬなら、統一協会の広告塔になっている政治家を生かしておきたくないというのが動機だと思います。

もちろん、そのような考えを是認できるわけもありませんが、この考えのどこに政治的な目的があるというのでしょうか。

政治家を殺したら政治的な目的あったとみなすというのが小池晃の考えだとしたら、テロの従来の定義から外れた暴論です。

なお、2025年11月25日の被告人質問で日本テレビは、「安倍元首相が銃撃され殺害された事件の裁判員裁判で、安倍氏が旧統一教会の関連団体に送ったビデオメッセージについて被告が「絶望と危機感、困るという感情だった」と語りました。」と報じています。

「絶望と危機感、困るという感情だった」のどこが政治的な目的なのか私には理解できません。

以上により、山上の発想をテロリズムと呼ぶのは誤りだと思います。

統一協会の問題を追っているジャーナリストの鈴木エイトも私と同様の見解だと思います。そう思う根拠は、2025.11.14文化放送ラジオ番組「長野智子のアップデート」での彼の発言です。

●テロリスト呼ばわりするのは小池だけではない

小池晃は、山上の行為がなぜテロなのかを説明すべきだと思います。

小池の「テロは絶対に許されない。」という発言は、山上の行為がテロであるという前提に立ちますが、その前提が成り立つと言えるためには、「テロ」の定義を変えるか、定義は変えずに、山上が政治的な意図を持っていたことを立証するかのどちらかをする必要があると思いますが、赤旗を読む限り、小池はどちらもやっていません。

小池は、テロリズムの定義を変えるべきだと主張しているのか、山上には政治的な意図があったと主張しているのかが分からないのです。

小池は、何らの根拠を示すことなく、山上にテロリストのレッテルを貼っていると思います。

●テロリスト呼ばわりをする人間は小池だけではない

山上の行為をテロだと言っている人間は、小池だけではありません。

普段まともなことを言っている中島岳志や東京新聞の論説委員もそうです。新聞記事を読んだ記憶で書いているので、証拠は示せませんが、本人には言った覚えがあるはずであり、本人が否定することはないでしょう。

Wikipedia”安倍晋三銃撃事件”には、「自由民主党幹事長の茂木敏充は、(2022年)7月8日、党本部で開かれた緊急会合の後、記者団の取材に応じ、事件について「今回のテロ行為は、民主主義に対する挑戦であり、断固抗議する」と語ったと書かれており、茂木もテロだと言っていたことになります。

Wikipediaによれば、福島瑞穂、辻元清美、泉健太、小池百合子、も同様の発言をしています。

江川紹子も「政治的テロ」だと言っています。「政治的」でないテロがあるとは思えないのですが、つまり、「政治的」という言葉でテロを修飾する理由が分からないのですが、それはともかく、江川は、最近になって「動機がテロではなく、被害者が結果として1人だったことなどから、検察側が死刑求刑を回避したのは妥当な判断だ。」(251219東京)と語っているので、テロではないという説に変えたのかもしれません。

つまり、江川の見解は不明です。

竹田恒泰は、下記の動画(2025年10月29日収録か)では、テロという言葉を使っていませんでした。

山上被告の初公判!事件を矮小化にしようとしてない?

動画の概要欄には、「ホントに政治的意図は無かったのでしょうか?」と疑問文で書かれています。

山上の政治的意図を立証できないからだと思います。

その点、竹田は、根拠も示さずにテロだと言い切ってしまう小池晃よりもまともでした。

つまり、竹田は、上記動画の時点では、理論的な考え方を保っていました。

ところが、次の動画(2025年12月19日収録か)では、山上の政治的意図の有無を問題にすることなく、山上はテロリストだと言い切るようになっており、矛盾しています。

【激怒】山上被告、無期懲役は「甘すぎる」!演説中の安倍元総理銃撃という「国家テロ」を軽視する日本の絶望的な現状

この動画の概要欄には、「この事件は単なる個人的な恨みによる殺人ではなく、 演説中の元総理を狙い、民主主義の根幹を揺るがした、疑いようのない「政治的テロ」です。」と断言しています。

10月29日収録の動画で「ホントに政治的意図は無かったのでしょうか?」という自らの発言を無意味なものにしています。

要するに山上は、政治的な意図を何も語っていないうちから、寄ってたかってテロリストに仕立て上げられています。

●テロリスト呼ばわりの真意とは

この事件をテロだと主張する人の発想は、選挙期間中に演説中の政治家を殺害したのだから、暴力で言論を封殺したのであり、選挙制度と民主主義制度の破壊だということでしょう。

しかし、被告人が政治家に接近する機会は、選挙での街頭演説中くらいしかないでしょう。

なので、遊説中に殺害したことをもって、直ちに被告人に民主主義破壊の意図があったものとみなして認定するのは無理だと思います。

もしもそのような無理が通るとすれば、演説中の政治家を攻撃した者は動機に関係なく厳罰に処すべし、ということになり、動機を含む情状が量刑の判断要素であるとする現行の刑事訴訟のルールが崩壊することになります。

政治家にカネを貸したが返してくれないので、腹が立って殺したという事件の場合、テロとは言えないと私は考えます。

政治家を殺害した者は、その意図に関係なく厳罰に処すべきだという主張が正当だとすれば、「政治家殺人罪」のような罪名の規定を置くのが筋ですが、その主張が正当であるという前提が成り立つとは思えません。

また、仮にそのような犯罪を新たに設けるとしても、「事後立法の禁止」は刑事司法の大原則ですから、今後刑法を改定してからの話であり、山上に適用することはできません。

そうであれば、この事件をテロだと叫ぶ人たちは、山上に政治的な目的があったという事実を無理にでも認定してしまえばいいと考えていると思います。

怖いことです。

ちなみに、誤解のないように書いておきますが、私は、山上の刑を軽くすべきだと言っているのではありません。

動機の認定は適切にすべきだと言っているだけです。

量刑は情状を考慮して判断するのであり、情状は動機だけではありません。

計画性や事件の社会に対する影響なども考慮されるのですから、それらを重視して重く処することも可能です。

ただし、「犯行に至る経緯,犯行の動機,目的,誘因,事件の社会的背景事情」を重視すれば、量刑は軽い方に傾くこともあります。

情状については、刑事事件サポートというサイトが参考になると思います。

●無差別殺人なのか

竹田は、2025年11月27日放送の下記動画で山上の事件について「テロリスト」「殺人鬼」「無差別殺人」という言葉を使っています。

メディアはバカか!テロリストをヒーローにするな!不幸だからって人を殺してはダメ!【安倍さん暗殺事件】

竹田は、重要な視点を提供していると思います。

竹田は、山上の銃撃は無差別殺人だから特に罪が重いと言っていると思います。

そうだとすれば、無差別殺人でなければ特に罪を重くする必要はないということになります。

つまり、竹田の考えによれば、無差別殺人かどうかが刑の軽重を分けることになります。

無差別殺人とは、典型例で考えると、爆弾テロのように、本当の攻撃の対象者と通りがかりの人を区別しないで一緒に殺すことです。

山上の目的は統一協会へ打撃を与えることであったと弁護団は述べています。

つまり、標的は統一協会だったので、安倍が統一協会と全く無関係の人物であれば、安倍は統一教会と山上との間の争いに巻き込まれたのであり、山上の行為は無差別殺人と言えるでしょう。

竹田がこの事件を「無差別殺人」だと主張するのであれば、安倍が統一協会と全く無関係の人物であるという説明をすべきだと思うのですが、いくら竹田の話を聞いても、安倍と統一協会との関係についての解説はしていないように思います。

山上は、統一協会と自民党との関係の中心にいた政治家が安倍だったと認識していたと報道されており、2025年12月30日付け赤旗は、「「日本において協会に最も影響力を持つ政治家」である安倍氏のことは(山上の)頭の片隅にあり」と報じています。

つまり、統一教会と安倍との関係についての山上のこうした認識が、奈良県警が発表したように、「思い込み」にすぎなかったのか、それとも事実だったのかが解明されなければ、無差別殺人だから重く処罰しろという意見は成り立たないはずです。

●安倍と統一協会は無関係ではない

銃撃の直接の契機は、2021年9月に統一協会の関連団体「天宙平和連合」が開いたイベントで、安倍が「韓鶴子(ハンハクチャ)総裁をはじめ、みなさまに敬意を表します」と統一協会の活動を称賛する内容のビデオメッセージを送ったことですから、安倍と統一協会が無関係でないことはもちろんです。

2025年12月30日付け赤旗によれば、安倍の写真が統一協会系の月刊誌「世界思想」の表紙に5回使われました。

安倍が統一協会の広告塔になっていたということです。

また、統一協会が韓鶴子総裁に報告するために2018年から2022年にかけて作成した文書を分析した韓国の日刊紙ハンギョレ(2025年12月29日)によれば、安倍は、2019年7月2日までに同日を含めて日本の統一協会の徳野英治会長(当時)と計6回の面談をしています。

根拠は、下記サイトです。

安倍氏、選挙応援を依頼 統一協会内部文書 高市首相も32回登場 韓国紙報道(しんぶん赤旗)

統一教会「自民党議員290人選挙応援」、安倍晋三も支援要請、高市にも32回言及(聯合ニュースd韓国)

https://www.yna.co.kr/view/AKR20251228001100004?input=1195m

https://japan.hani.co.kr/arti/politics/55079.html

統一教会「自民290議員支援」で黒い癒着再燃!ゴマかす高市首相をも直撃する韓国発の“紙爆弾”(日刊ゲンダイ)

また、政治ジャーナリストの野上忠興によれば、安倍の母親が統一協会とはあまり深く関わらない方がいいと忠告していたとのことであり、裏を返せば、母親が心配するほど深く関わっていたと言えるとのことです。根拠は下記サイトです。

最古参教団元幹部が初証言/安倍家三代と旧統一教会【12月28日(水)#報道1930】

繰り返しになりますが、下記の阿修羅記事によれば、1月9日付け日刊ゲンダイにも、次のように書かれています。

暴かれた保守の二枚舌と選挙のズブズブ…統一教会総汚染、高市人気でも自民は惨敗(日刊ゲンダイ)

長年、安倍家を取材してきた政治評論家の野上忠興氏は言う。

「安倍さんは選挙に勝つために統一教会を徹底的に“利用”してきた。祖父の代から脈々と受け継がれてきた統一教会との蜜月関係ですが、それを知っている母・洋子さんが『教団に近づきすぎだ』と安倍さんに注意していたほどだったそうです。・・・」

ちなみに、統一協会総裁への報告書には、安倍の名前が547回、萩生田の名前が68回、高市早苗の名前が32回出てくるようです。

それなのに、高市は、中田敦彦からのインタビュー動画で教祖・文鮮明の名前も知らないし、教義も知らないと言っているのは不可解です。

報告書には「高市氏の後援会と私たちが親しい関係にあります。」(260114赤旗)と書かれているようです。

前記日刊ゲンダイ記事には、統一協会の教義について次のように書かれています。

言うまでもなく、統一教会は反日カルトだ。その教義は極論すれば「韓国は日本より上」「天皇を教祖の文鮮明に土下座させろ」「日本は韓国にカネも女も差し出せ」というトンデモ内容なのだ。霊感商法や高額献金で被害者続出の札つき教団であり、だからこそ東京高裁で解散命令請求をめぐる裁判が続いているのである。そんな反日団体に選挙の票や支援欲しさにスリ寄るとは、むしろ売国奴だろう。

徳野元会長の報告は詳細です。

2019年7月2日の安倍との面談は20分だったこと、徳野元会長が安倍元首相及びこれに同席した自民党の萩生田光一幹事長代行(当時)にエルメスのネクタイを贈呈したこと、「安倍首相は(ネクタイの贈呈を)大変喜んだ」ことなどを報告しています。(ちなみに、前川喜平は、1月4日付け東京新聞で、徳野からネクタイの贈呈を受けたのは、萩生田だけかのように書いていますが、安倍が大変喜んだのですから、誤りだと思います。)

自民党支持者がそれでも報告書の内容が虚偽だと主張するのであれば、きちんとした反証を挙げるべきです。

ちなみに、「上記報告書の中身が事実とは限らない」と自民党支持者は言うかもしれませんが、統一協会の総裁をだまそうとしたことがバレたらタダでは済まないでしょうから、幹部が話を盛るとは思えません。

上記日刊ゲンダイ記事には次のように書かれています。

報告書を入手し、政治家が関係する部分から読み始めているという立憲民主党の有田芳生衆院議員は、報告書について「リアリティーがある」と話し、こう続ける。

「韓鶴子総裁というのは信者にとっては『神』なんです。だから神への報告内容は事実でなければならない。いろんなおべんちゃらはあるでしょうが、区別して評価すべきで、報告書は詳細で現場の光景が浮かぶほど具体的です。・・・」

要するに、人間が間違うのは仕方ないとしても、神にウソをつくことが許されるはずがないのです。

鈴木エイトによれば、報告書には、高市の出身地を神奈川県(事実は奈良県)としているという間違いはあるようですが、意図的な虚偽報告をすれば、相応の報いを受けるはずです。

ただし、鈴木は、「(報告書には)多少の間違いや誇張はあるにしても」と言い、「誇張」という意図的な虚偽報告もあったと見ています。

つまり、鈴木は虚偽報告も許されるという見方をしています。(神への虚偽報告が許されるという宗教があるとは思えないのですが、統一協会は、やはり宗教ではないということでしょうか。)

統一協会が応援した国会議員の総数は、自民党議員だけで290人に達するという記述について、徳野は、2026年1月8日にXに投稿し、「「後日確認したところ、誇張があった」などと記した。」(1月9日付け朝日)ようです。

「誤記」ではなく「誇張」と書いているのですから、意図的に数字をふくらませたという意味です。

徳野は、神である真の母に虚偽報告をしたことを認めたのですから、本当に虚偽報告であれば、何らかの処分があって当然ですが、内部文書が公表されてしまった以上、虚偽報告ではなく誤記にすぎないと認めるという選択肢もあると思います。

徳野が誇張した意味を考えると、もし徳野が「自民党議員だけで290人に達するという記述に間違いはない」と言ってしまったら自民党に大きな迷惑がかかりますから、つまり、今後も自民党をうまく利用していくためには、「誇張があった」と言って自分の非を認め、自民党に貸をつくった方が得ですから、誇張を認めるのは自然な流れであり、徳野の投稿を真に受ける気にはなれません。

統一協会における神は、神への虚偽報告を許さないでしょうが、世間を欺くための方便は許すと思います。

「真の母特別報告」が(ウソを書く必要がなく、かつ、ウソを書いてはいけない)内部文書であるのに対して、徳野のXの投稿が公表を前提とした文書であることに注意して事態を見るべきだと思います。

●安倍は謝礼をもらったのか

安倍と統一協会との関係を考える上で気になるのが、安倍は謝礼をもらったのかということです。

統一協会は支払っていないと言い、鈴木エイトは5000万円を支払ったと言います。

統一協会は鈴木に対して民事訴訟を提起し、1100万円の損害賠償を求めています。根拠は、下記の朝日報道です。

旧統一教会の信者と友好団体が鈴木エイト氏を提訴

統一協会が安倍に5000万円を支払ったか否かは不明ですが、下記の毎日の報道によると、「米国のトランプ前大統領が2021〜22年、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関連団体「UPF」からビデオ出演3回の講演料として計250万ドル(当時の為替レートで約3億円)を受け取り、ペンス前副大統領も講演1回で55万ドル(約6000万円)の報酬を得ていた」というのですから、安倍のビデオ出演だけが無報酬という話は不可解です。

旧統一教会関連団体、トランプ氏出演に3億円 安倍氏「無償」なぜ?

仮に安倍が無報酬で出演したとなると、多大な恩義を感じていたからだと推測されます。つまり、安倍と統一協会は極めて深い関係にあったと統一協会は言っていることになります。

仮に安倍が5000万円をもらっていた場合には、「トランプやペンスと同様、カネが欲しいから出演しただけであって、実際には統一協会とはほとんど関係がなかった」という見方が一見成り立つように思えますが、安倍の場合、カネをもらっていたからといって、統一協会との関係が薄まるわけではありません。

安倍が報酬をもらってももらわなくても、安倍は、トランプやペンスと同じ立場ではありません。

前記日刊ゲンダイ記事には、「安倍元首相が銃撃事件の引き金となった教団関連集会にビデオメッセージを送ったのは、首相在任中の国政6連勝へのお礼だったのだろう。」という見方が示されています。

報告書には、「安倍元首相が私たちに近い存在である」(260114赤旗)と書かれているようです。

竹田の主張が、山上の行為は無差別殺人だから重く処罰すべきだと言っているとしたら、その主張は正しいと思います。

危害の標的とは全く関係のない人を巻き込む形で殺害すれば、重罰に処すべきという考え方に異論はないでしょう。

そうだとすると、元首相銃撃事件では、安倍と統一協会の関係が薄いほど山上の罪が重くなるが、関係が濃いほど罪が軽くなることになるので、当該関係を争点にすべきであり、立証を尽くすべきです。

安倍と統一協会に関係がないことを検察がいきなり立証することは不可能なので、関係があることを弁護側が立証し、検察が反証を挙げられるかが争点となるべきです。

もっとも、検察が竹田のように、統一協会と関係のない安倍を巻き込んだから厳罰を求めると主張するならば、重罰への立証責任の問題なので、安倍と統一協会と関係がないことを検察が証明するのが筋です。

いずれにせよ、山上の行為をテロだと断定する小池晃や中島岳志や竹田恒泰の主張は、テロの定義を無視しており、理論的ではありません。

(文責:事務局)
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