選挙の洗礼は錦の御旗か

2009-06-10

●借金減らしは10年計画

栃木県財政健全化計画は茶番だにおいて、ダム問題を聖域化する財政健全化計画など茶番だと書きました。6月3日読売によると、これまで県は、県の借金である県債の発行残高を2004年度末時点の9935億円以下に抑制する目標時期を2014年度末としていましたが、2日の県議会一般質問で福田富一知事は、「2019年度までには縮減したい」と述べたそうです。借金残高が1兆円を切るのが10年も先になるということです。本気度を疑われても仕方ないと思います。

●知事選前に試案を示せ

2009-06-09下野によれば、8日の栃木県議会予算特別委員会の総括質疑で県の財政健全化の道筋を定めた「とちぎ未来開拓プログラム」(試案)をめぐる論戦があったようです。

松井正一議員は、「知事選前に試案を示すべきだったのでは」と質問しました。もっともな質問です。財政健全化の問題は今に始まった問題ではないのですから、前の任期中に真剣に取り組むべきでした。福田知事は、「選挙前に作り、有権者の判断を仰ぐのも王道」(9日読売)であることは認めながら、「「選挙の洗礼を受けた人が(プログラムを)つくるのも一つの考え方」として、昨年秋に世界同時不況が始まったことを指摘して「結果的により精度の高いものができた。判断に誤りはなかった」と強調した。」(9日下野)そうです。

福田知事は、「選挙の洗礼」を錦の御旗にして便利な言い訳を使っていると思います。選挙の前には有権者に不利益が及ぶことは言わず、選挙後にどんな政策を打ち出しても自由だというわけです。選挙の洗礼を受けているから許されるというわけです。しかし、こんな理屈がまかり通るなら、選挙の前に有権者に痛みを伴う公約を口にする政治家はいなくなります。

国政で言えば、選挙の前に消費税値上げの話はしない方がいいということになります。

福田知事は、こんなレベルの低い政治を目指しているのでしょうか。

福田知事の言わんとするところが、「選挙の洗礼を受けていない人は財政健全化計画を示すべきではない」ということだとすれば、全く理由が分かりません。財政健全化計画の優劣を候補者間で競うのが健全な選挙ではないでしょうか。

(文責:事務局)
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