若宮戸河畔砂丘掘削の実態(鬼怒川大水害)上流側

2019-02-25

2015年9月10日に鬼怒川大水害が発生しました。氾濫の大きな要因は二つあり、茨城県常総市若宮戸で溢水したこと及び三坂町で堤防が決壊したことです。

国土交通省は、若宮戸溢水はなかったことにしたいらしく、そのウエブサイトに平成27年9月関東・東北豪雨関連情報の中に「鬼怒川の堤防決壊のとりまとめ」という項目はあっても、溢水に関する項目はありません。

「鬼怒川の堤防決壊のとりまとめ」をクリックすると、『平成27年9月関東・東北豪雨』に係る鬼怒川の洪水被害及び復旧状況等についてという項目が出てきて、その一つ(例えば『平成27年9月関東・東北豪雨』に係る鬼怒川の洪水被害及び復旧状況等について(平成29年4月1日18:00時点)[PDF:13926KB])をクリックすると「8.鬼怒川25.35k(常総市若宮戸地先)等の被災状況の調査結果について」というページに若宮戸溢水が載っているという不思議な構造になっています。溢水とは、堤防のない所から洪水が溢れることをいうので、堤防決壊ではないのに、「鬼怒川の堤防決壊のとりまとめ」の中で若宮戸溢水を報告することは異様です。

若宮戸での溢水については、河畔砂丘が長年にわたり掘り崩されてきたことが大きな要因になっていると思います。

鬼怒川大水害の約1年半前の2014年3月頃からの太陽光発電事業者(国土交通省のいう「事業者B」)による掘削の規模が一般に流布されているような150m×2mでないことは、過去記事鬼怒川大水害で河畔砂丘の掘削量は150m×2mではなかったで説明したとおりです。

世間では、掘削された河畔砂丘の高さは2mということになっていますが、数字の一人歩きというのはこういうことを言うのでしょう。

国土交通省が作成した河畔砂丘掘削に関するイメージ図からも、幅約200m、高さは約1.66m〜約4.52mということになります。

2014年に若宮戸の河畔砂丘はどのように掘削されていったのか。その様子を撮影した写真(若宮戸地区住民の逆井正夫氏から提供していただいたもの)を掲載します。一部は上記過去記事と重複します。今回は、掘削された河畔砂丘の範囲の上流側を写したものです。カメラは東から西(鬼怒川の方向)に向けています。

キャプションは撮影日です。

河畔砂丘で守られた土地を買ったはずの逆井氏が、毎日どのような気持ちでこれらの写真を撮ったかを国土交通省の職員は想像したことがあるのでしょうか。

144.JPG 2014-04-24と170.JPG 2014-05-11を比較すると、河畔砂丘の大きさが相当違うことが分かります。

どこを撮った写真か分からない方が多いと思うので、www.naturalright.orgさんが作成された地図と衛星写真を合成した便利な画像を次のとおりお借りしました。若宮戸の河畔砂丘 5 国交省が作った騙し絵のページからです。地図は、サンコーコンサルタント株式会社が作成した「2003年度若宮戸地先築堤設計業務報告書」からですので、おそらく2003年測量のものです。衛星写真は2014年3月22日現在ですので、一連の写真撮影が始まる1か月前のものです。右が北(上流側)です。大部分は中央下部の住宅地から河畔砂丘を撮ったものです。

地図naturalrightから

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下流側の写真は、若宮戸河畔砂丘掘削の実態(鬼怒川大水害)下流側に掲載しました。

(文責:事務局)
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