大豆生田実・足利市長質問に答えず

2012年10月8日

●足利市が無回答の理由を説明せず

八つ場ダムに効果についての足利市長、栃木市長、佐野市長に質問したに書いた公開質問状について、10月5日に足利市から返事が来ました。

危機管理課の職員から当協議会事務局に電話があり、「回答は見合わせたい」というものでした。

回答しない理由を聞きたいと言うと、秘書課から「回答は見合わせたい」とする電話を事務局にかけるように指示されたので、回答しない理由は分からないとの答でした。

答えない理由も説明しないのですから、あまりにもひどい対応です。

●足利市長は税金の無駄遣いを容認している

足利市の大豆生田・市長は、当協議会の公開質問を理由も説明せずに無視することしたわけですが、そんなことが許されるのでしょうか。

当協議会は、足利市の単独事業について質問しているのではありません。

栃木県内では、足利市、佐野市及び栃木市を受益地域とする国営八ツ場ダム事業について質問しているのです。

栃木県は、上記3市を利根川の氾濫による水害から守るために八ツ場ダム事業の負担金として10億4000万円(分割金利は含まない。)の税金を投入します。

足利市等のために私たち栃木県民の税金が使われるのです。

八ツ場ダムに足利市等の水害を防ぐ効果があるのなら、少なくとも足利市長らは、私たち栃木県民に対して「足利市等のために栃木県の税金を10億4000万円も使ってくれて非常にありがたい。」というお礼の言葉があってもいいのではないかと思います。

ところが足利市長は、礼を述べるどころか、八ツ場ダムが足利市にどのような治水効果を及ぼすのか全く説明もしない、あるいはできないということは、栃木県に著しい利益のないダムのために栃木県が税金を無駄遣いすることに容認していると見られても仕方がないと思います。

足利市では、事業の費用対効果は問題にならないのでしょうか。

足利市等のために栃木県民の税金が10億4000万円も使われるのですから、足利市長等にはなぜそれほど巨額の税金が使われるのかについて、県民に対して説明責任があると私は考えるのですが、どうしてそのことが理解していただけないのか不思議です。

私たちが足利市長等に説明を求めることがおかしいのでしょうか。

●八ツ場ダムが栃木県に利益をもたらさない証拠だ

栃木県知事は、裁判の中でも「八ツ場ダムは、足利市、佐野市及び旧藤岡町にとって著しい利益がある」と主張していたのですが、実際にどのような利益があるのかを受益地域の足利市に質問しても、全く答えられないということは、八ツ場ダムは栃木県にとって何の利益もないことの状況証拠になると思います。

●足利市の無回答は2度目

思川開発事業を考える流域の会は、2011年2月1日に、八ツ場ダムの治水効果について足利市長あてに公開質問をしてますが、未だに回答がなく、足利市長は、質問を無視しています。

したがって、足利市長の八ツ場ダムの治水効果に関する質問無視は、今回が2度目です。

●大豆生田市長は八ツ場ダム事業の中止に賛成だった

それにしても大豆生田市長は一体何を考えているのでしょうか。

大豆生田市長は、公開質問文に書いたように、下野新聞社が2009年10月11日に発表したアンケートで、八ツ場ダム事業の中止に「賛成」と答えていました。

その理由は公表されていませんが、八ツ場ダムは栃木県に利益をもたらさないからと大豆生田市長が考えていた可能性があります。

ところが大豆生田市長は、今、貝になってしまいました。

2009年10月から2011年2月の間に何があったのでしょうか。

下野のアンケート結果を見たときは、足利市には立派な市長さんがいるものだと感心しましたが、今の足利市長は、無駄なものを無駄と言えなくなってしまったのなら、立派とは言えないと思います。

いずれにせよ、受益地域の市長が八ツ場ダムの効果を説明できないのですから、八ツ場ダムが足利市に効果がないことははっきりしたと言ってよいと思います。

(文責:事務局)
文中意見にわたる部分は、著者の個人的な意見であり、当協議会の意見ではありません。
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