八ツ場ダムマネー還流

2010年12月25日

●自民議連が八ツ場ダム予定地訪問

2010年12月20日付け産経は、次のように報じています。

自民議連が八ツ場訪問 「撤回に全力で頑張る」

八ツ場ダム事業の推進を求める自民党議員連盟のメンバー約10人は19日、ダム建設予定地の群馬県長野原町を訪れ、地元住民らと意見交換した。議連会長の佐田玄一郎元行政改革担当相は「一日も早い中止撤回に全力で頑張る」と述べた。

 地元側からは「ダムを造ることが最大の願いだ」「民主党の意見はころころ変わる。どこを信じていいかわからない」などの声が出た。意見交換には小渕優子元少子化担当相、山本一太参院政審会長らが参加した。

 これに先立つ同日正午、水没予定地を通るため付け替え工事が進められている国道145号のうち、新たに約1・3キロの供用が始まった。

 開通式で、群馬県の大沢正明知事は「ダム建設の早期再開を確信している」と強調した。

 http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/101220/plc1012200031001-n1.htm?utm_source=twitterfeed&utm_medium=twitter  
 

●そういうことだったのか

なぜ佐田玄一郎、小渕優子、山本一太の各氏が八ツ場ダム推進なのかについては、八ツ場ダムのウソ(その3)にも書いたように、受注企業から献金をもらっているからとしか思えません。2010年2月24日付け産経は、次のように報じています。

八ツ場ダム受注業者、自民議員らに約5千万円献金 前原国交相「談合疑われる状況」

2010.2.24

 前原誠司国土交通相が建設中止を表明している八ツ場(やんば)ダム(群馬県長野原町)の建設工事受注業者が平成20年までの3年間で、自民党国会議員らが代表を務める同県の党支部などに総額約4925万円の政治献金をしていたことが24日、分かった。同日午前の衆院国交委員会で民主党の中島正純氏が指摘し、総務省も認めた。

 中島氏によると、受注業者から献金を受けていたのは、自民党の現・元職の国会議員7人や地元自治体首長らが代表者の党支部など22団体。このうち自民党国会議員が代表の党支部などへの献金は総額3182万円だった。最も献金が多かったのは上野公成元参院議員(元官房副長官)が代表の党県住宅都市産業支部で1370万円。中曽根弘文前外相の党県参議院第1支部も604万円、山本一太元外務副大臣の党県参議院第3支部も500万円の献金を受けていた。

 中島氏は「政官業の癒着があったと思わざるを得ない」と述べ、早期建設中止を求めた。前原氏も「受注業者から多額の献金をもらうのはいかがなものか。(献金した)業者の落札率も明らかに高すぎる」と指摘。その上で「客観的に見れば談合が行われていたのではないかと疑われる状況だ」と述べた。

 ただ、民主党も石関貴史衆院議員が代表の党県第2区支部が24万円の献金を受けていたほか、県議2人が代表の党支部も受けており、同党への献金も86万円あった。

 http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100224/plc1002241202003-n1.htm

2009年11月16日付け赤旗の「"八ツ場ダム マネー" 自民還流/小渕中曽根佐田氏ら支部に/受注企業が742万円/08年収支報告書」によると、佐田玄一郎氏の親族企業である佐田建設(本社・前橋市)が八ツ場ダム関連工事を受注しているそうですから、佐田氏が推進運動の先頭に立つのもうなずけます。

赤旗は、2010年12月12日にも次のような記事を載せています。

2010年12月12日(日)「しんぶん赤旗」

群馬・八ツ場ダムマネー還流
自民議員支部などに2507万円
07〜09年 工事受注30社が献金

 八ツ場(やんば)ダム工事の関連事業を受注した企業30社から2007〜09年の3年間に地元群馬県の自民党の支部に2507万円、民主党の支部にも36万円の献金があったことが11日、本紙の調べでわかりました。ダム本体工事の中止をめぐって迷走していますが、「八ツ場ダムマネー」が政治家に還流する仕組みが浮かび上がります。

民主議員支部にも36万円

 政治資金収支報告書によると、受注企業からの献金は自民党では、中曽根弘文(元外相)、山本一太の両参院議員、小渕優子(元少子化担当相)、佐田玄一郎(元行革担当相)の両衆院議員、尾身幸次元衆院議員らが支部長を務める支部など8支部です。

 中曽根氏は受注企業11社から612万円、山本氏は15社から430万円、小渕氏は1社から108万円、佐田氏は3社から158万円、尾身氏は5社から192万円を3年間で受け取っています。

 また、自民党群馬県ふるさと振興支部は15社から563万円を集めています。同支部からは、3年間で計3800万円が小渕優子後援会に流れています。同支部に86万円を献金した上原建設(本社・甘楽郡下仁田町)は、数億円分の関連工事を受注しています。

 中曽根氏や小渕氏らの自民党6支部に計495万円を献金していたヤマト(本社・前橋市)は、配水施設工事7750万円分を受注していました。

 民主党の石関貴史衆院議員(群馬2区)が支部長を務める支部も、1社から3年間で36万円の献金を受注企業から受けています。

 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2010-12-12/2010121215_01_1.html  
 

2010年12月24日付け東京新聞によれば、中曽根弘文氏も今年7月の参院選でひたすら「「ダム中止撤回」を連呼した」ようです。

政治家が、ダムを造る道理があると考えるなら、受注企業から献金をもらわないで主張したらどうでしょうか。そうでないと説得力を感じません。

献金する企業は、「見返りを求めて献金しているわけではない」と言うのでしょうね。政治家は、「受注企業から献金をもらったことと自分の政治行動は関係ない」と言うのでしょうね。

企業・団体献金をやめなければ、本当の政治にはならないと思いますが、2010年10月26日付け産経によれば、「 民主党、企業・団体献金の自粛を解除 契約額1億円未満企業ならOK」というていたらくですから、お先真っ暗です。

(文責:事務局)
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