日本共産党はなぜアメリカ言いなりなのか(その2)

2010-09-16

●9.11の犯人がアルカイダだとだれが決めた

9.11から9年が経ちましたが、下手人がだれかという問題は、依然として重大な問題だと思います。

2009-09-10赤旗は「主張/同時テロ9年/いまこそ暴力の連鎖を断て」で、次のように書いています。

ニューヨークの超高層ビルに旅客機が突っ込んだ9年前の光景は、いまも脳裏に焼きついて戦りつを覚えさせます。当時、国際社会は野蛮な同時テロを非難しました。
(中略)
アフガンでの報復戦争はタリバン政権こそ倒したものの、ほどなく泥沼に陥りました。引き継いだオバマ政権は「対テロ戦争」を掲げるのをやめ、標的を同時テロを引き起こしたテロ組織アルカイダとその関係団体に特定しました。

「野蛮な同時テロ」の下手人は、「同時テロを引き起こしたテロ組織アルカイダとその関係団体」だと書いています。

しかし、9.11の下手人がアルカイダという根拠を日本共産党は提示できるのでしょうか。

9.11の下手人がアルカイダであると一体だれが決めたのでしょうか。アメリカ政府が言っているだけではないでしょうか。その説に日本政府も日本共産党も従っているということではないでしょうか。

2010-09-12しんぶん赤旗日曜版の18面でも、赤旗は「戦争とテロの悪循環」の見出しの記事で「国際テロ組織アルカイダがニューヨークの高層ビルなどをテロ攻撃した「9.11」事件。」と断定しています。アメリカ政府の思うつぼではないでしょうか。

●なぜ疑わないのか

2010-09-11赤旗の「きょうの潮流」には、次のように書かれています。

イギリスに、アーサー・ポンソンビーという政治家がいました。彼は第1次大戦後、政府が国民を戦争にかりたてるための口実に10の型があるのを発見した、といいます▼いわば、"戦争宣伝の10の法則"。作家の故米原万里さんが、「甘い言葉には裏がある」ということわざの意味を探るなかで紹介しています(『他(た)諺(げん)の空似-ことわざ人類学』)。いくつか、みてみましょう▼まずは、為政者は「われわれは戦争をしたくない」と主張する(第1法則)。「敵方が一方的に戦争を望んでいる」(第2)というわけです。なぜなら「敵の指導者は悪魔のような人間だ」(第3)からで、「われわれは領土や覇権のためではなく、偉大な使命のために戦う」(第4)/▼第9法則「われわれの大義は神聖なもの」。だから、「大義に疑問を投げかける者は裏切り者である」(第10)と非国民よばわり。たしかに、「法則」といっていいほど多くの戦争にあてはまります▼9・11テロから9年。当時、息をのむ破壊と理不尽な犠牲、愛する人を亡くした人の悲しみを前にして、誰もが「テロのない世界を」と願いました。しかし、米政権が始めた「対テロ戦争」も、ほぼ「10の法則」をなぞりました▼9年後、アメリカはいまも戦時、テロは世界に広がっています。どの地でも、戦争とテロの最大の犠牲者は罪のない人民です。憎しみと戦争でテロをなくせるかのように説く文句は、ことわざにいう「甘い言葉」でした。どんな「裏」があったかは別として。

実にいいことが書いてあるではありませんか。

これだけ読んだら、日本共産党は、9.11を、ベトナム戦争前のトンキン湾事件と同じく自作自演だととらえているのかと思います。

ところが日本共産党は、アメリカの仕掛けた戦争はインチキだが、そのきっかけとなった事件は、自作自演ではなく、本物のテロだと言うのです。

戦争が人を欺くものであるならば、戦争のきっかけとなった事件もまた人を欺くものであると考えるのが普通だと思います。戦争を起こしたい国が事件をでっち上げる例を日本共産党が知らないはずはありません。

財界とアメリカにものの言えるはずの日本共産党がなぜアメリカの言いなりになって9.11の犯人をアルカイダと決めつけるのか理解できないと2008年に日本共産党はなぜアメリカ言いなりなのかで書きましたが、更に2年経っても未だにその解答は見つかっていません。

もちろん、9.11が自作自演だと説く新聞はありません。しかし、赤旗は、アメリカにものが言えることや科学的な思考をすることをウリにしています。肝心の場面でアメリカの受け売りをするのはどうしてなのかというのが私の疑問です。

ちなみに、朝日新聞社は、週刊朝日9/17号で国際情勢解説者・田中宇(さかい)氏に「9.11から9年/いまなお消えない9つの謎」を書かせて良心のかけらを見せようとしています。

「9.11疑惑」ともいうべき情報がこれだけあふれているのに、赤旗は9年経っても1行も報道しようとしないのには「裏」があるとしか思えません。

(文責:事務局)
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