9.11公式説明信奉者は相変わらずの揚げ足取り

2011年10月26日

●なぜ9.11を扱うのか

当サイトが9.11を扱うことに疑問を持つ方もいるようです。

核発電の問題を意識していなかった人も、3月11日の東日本大震災による核発電所事故を契機として、核発電の安全神話が欺まんであることが分かったと思います。

核発電もダムも、欺まん、詭弁、詐欺、隠ぺいのデパートです。

現下の日本最大のダム問題である八ツ場ダムも、治水・利水に効果がある、安全であるというだましを前提として進められています。

9.11の公式説明も隠ぺいと詭弁に満ちています。

だましの構造を明らかにすることは、ダム問題を解決するために有効です。

●10年目もウソ

本題に入る前に9月9日付け朝日新聞オピニオン欄にニューヨーク・タイムズ・シンジケート配信記事について一言。

そこには、アメリカの国家安全保障問題担当大統領補佐官で前米国務長官のコンドリーザ・ライス氏の文章の抄訳が掲載されています。

曳尾塗中というサイトの【朝日新聞】9.11の教訓 公の議論が過激主義消すという記事が同記事を引用していますので、ご参照ください。

ライス氏は、次のように書いています。

攻撃から何カ月もの間、私たちは根底にある原因について何度も考えた。あの9月のよく晴れた日に飛行機をビルに激突させるほどの憎悪を生んだのは、一体何なのだろうか。

そういう疑問があるなら、首謀者とされるオサマ・ビン・ラディン氏に聞いてみればよかったじゃないですか。

ところがアメリカ政府は、今年5月2日に米海軍特殊部隊を使い、パキスタンのイスラマバード近郊で、オバマ大統領がテレビ中継を観戦する中、丸腰のオサマ・ビン・ラディン氏を、頭部を銃撃して殺害したと報道されています。

「攻撃から何カ月もの間、私たちは根底にある原因について何度も考えた。」なんてウソではないでしょうか。それほど原因に関心があるなら、生け捕りにすべきだし、できたはずです。

生け捕りにするといろいろ面倒なことが起きるという言い訳が解説されていましたが、真相を闇に葬るためというのが問答無用の殺害の最大の理由でしょう。

9.11に触れると言論弾圧を受ける(その1)で紹介したように、1999年に「NORAD(北米航空宇宙防衛司令部)はハイジャックされた飛行機が世界貿易センターとペンタゴン(国防総省)を目標に激突することを想定した訓練を開始し(USAトゥデイ)、2001年4月NORADはテロリストグループが民間航空機をハイジャックし、それをペンタゴンに激突させるという想定の演習の実施を要求した(ボストン・グローブ)。」(ベンジャミン・フルフォード著「9.11テロ捏造」p377、原文は250+ 9/11 'Smoking Guns' Found in the Mainstream Media)にもかかわらず、国家安全保障問題担当大統領補佐官だったライス氏は、9.11の直後に、「ハイジャックした飛行機をWTCに激突させるなんてだれも予言できない」と言っていましたが、ウソとしか思えません。

「訓練していたことが現実に起きるなんて驚いた」という感想ならすんなりとだまされていたところですが、「だれも予言できなかった」と言ったために政府への疑惑が広がったと思います。

10年経っても、ウソをつき通すしかないということでしょうか。

●msq氏が「アタのパスポートがWTCで発見された」という文章を書いた

9.11に触れると言論弾圧を受ける(その1)で紹介したように、当サイトに言論弾圧を企てたmsq氏が 分解 『911 ボーイングを捜せ』というサイトで「アタのパスポートがWTCで発見された」という文章を2011年1月22日に掲載していました。

長々と書かれていますが、要するに、msq氏が阿修羅の掲示板のコメント欄に「911公式発表を信じている信者は、世界貿易センターの瓦礫の中から激突した飛行機に搭乗していたとされるモハメッド・アッタの紙で出来たパスポートが翌日発見された事を信じているんだろう。 世界貿易センタービルで亡くなった1000人以上の死体すら行方不明であるにも関わらずにだ。」という文章を見つけ、「9/11委員会報告」(9/11 Commission Report: Final Report of the National Commission on Terrorist Attacks Upon the United States)によれば、パスポートは、9.11の実行犯であるとされるモハメド・アタのものではなく、別の実行犯であるとされるサタム・アル・スカミのものである、発見された時期は、事件翌日ではなく当日WTC2(南棟)が崩壊する前である、というものです。

確かに一般論として事実は重要です。事実は5W1Hで構成されています。

「いつ」と「だれ」という要素が違えば別の話になってしまいます。

しかし、それらが大した意味を持たない場合があります。

阿修羅の掲示板にコメントを書いた人は、「WTCに衝突した飛行機の中にいたはずのハイジャック犯のパスポートが付近の路上で見つかるなんて、科学ではなく、マジックやイリュージョンの世界だろう。」ということです。

この論旨の中では、犯人の名前は重要な要素ではありません。

普通に考えれば、犯人の遺体とともに、ではなく、パスポートだけが無傷で見つかるのは不自然であり、政府がそこまで小細工してはかえってまずいのではないかと、政府に気を使ってしまうほどですが、msq氏は、不自然とは考えないようで、その理由は、「瓦礫の中からも紙類、プラスティック類で焼けずに発見されたものもありました。」ということのようです。

しかし、msq氏は、それらの紙類やプラスチックが飛行機の中にあった物であると書いていません。

同じ紙類が路上にあったとしても、元々あった場所が違っていたら、引き合いに出す意味はありません。

また、下野新聞によれば、「ジェット燃料が推定千度以上で燃え続けた」(2011年9月11日)ために1,121人の遺体の肉が蒸発して骨片になってしまったのであり、また、アメリカ政府の立場で書かれたと思われるWikipediaアメリカ同時多発テロ事件によれば、「火災の熱」によって「鉄骨の破断」が生じるほどだったとのことであり、そうだとすれば、紙類、プラスティック類が焼け残るとはおかしな話です。

プラスティック類で焼けずに発見されたものがあったのは、爆発物による爆風で、爆風で燃える間もなく吹き飛ばされたことの証拠ではないでしょうか。

●いつ発見されたのか

パスポートが発見されたとされる時期は重要な要素です。

さわやか日記(2001/9/16)というサイトによれば、サタム・アル・スカミは、WTC1に衝突したとされるアメリカン航空11便に乗っていたとされています。同機は、WTCに最初に衝突したとされる飛行機です。

北棟が崩壊してから、その瓦礫の中からパスポートが発見されたというならいくらかのもっとらしさはありますが、崩壊の前に発見されたとすると、アメリカン航空11便は、ビルにすっぽりとめり込んだように見えたにもかかわらず、よりによって犯人のパスポートが偶然にも、飛行機の壁もビルの壁もすり抜けて三百数十メートルも落ちてきたことになり、マジックだという評価が穏当でしょう。

●FBI幹部はウソをついた理由を合理的に説明できるのか

Histry Commonsというサイトのhttp://www.historycommons.org/context.jsp?item=a091201passportfound#a091201passportfoundというページによれば、犯人のパスポートをだれが見つけたかという点について、CNNが「FBIニューヨーク支局長のバリー・モーンが、警察とFBIが一帯における"grid search"の最中に見つけたと言った」[CNN, 9/18/2001]と報道したようです。

"grid search"とは、地面に正方形の格子線を碁盤の目のように引いて区切り、一マスずつつぶしながら捜索することだと思います。

ところが、2年半後に公表された9/11委員会報告書では、「通行人によって発見され、刑事に渡した」 [9/11 Commission, 1/26/2004]ことになってしまいます。

フランスのテレビチャンネル、フランスサンクによれば、パスポートを刑事に渡した通行人は、刑事が顔を上げると立ち去っていたというのです[France 5, 3/14/2010] 。

パスポートの発見者について、CNNは警察とFBIだと言うし、9/11委員会報告書は通行人だと言います。

9/11委員会報告書が正しいとすると、CNNが取材したとFBIの幹部のバリー・モーン氏がウソをついたか、勘違いをしていたかということになりますが、世界中が関心を持つであろうことが確実な、重大な事実の発表なのですから、勘違いという線はないでしょう。(論理的には、CNNが取材もせずに架空記事を書いたという可能性もありますが、取材源の実名を出しているのですから、それはないでしょう。)

CNNの取材が現実にあったとすれば、ではなぜバリー・モーン氏がウソをつく必要性があったのかを考えるべきです。

バリー・モーン氏がウソをつく必要性については、「上」から命令があったからという推論が理解されやすいと思います。

それが、後に委員会報告書で、通行人が発見したことになったのはなぜでしょうか。「上」がストーリーを変えたからではないでしょうか。

CNNの報道は、FBIの発表でもあります。

FBIも9/11委員会も政府の機関です。そこから出た事実に矛盾が存在するのです。

政府側の説明がブレていること自体、犯人のパスポートの発見がねつ造であることの状況証拠ではないでしょうか。

ちなみに、CNNによれば、パスポートは警察とFBIによるシラミつぶしの捜索によって発見されたのですから、その時期は事件の翌日以降であると思われます。

したがって、発見の時期を翌日と書いた人にも相当の理由があり、msq氏が「マヌケ」と非難するのは当たりません。

●どこで発見されたのか

msq氏が「いつ」と「だれ」が話の重要な要素であると言うのであれば、「どこ」も重要な要素であるはずです。

パスポートがWTC1のどちら側で見つかったのか、また、ビルからどれくらい離れた場所で見つかったのか(ABCニュースでは"a few blocks from the World Trade Center"と報じられたようですが、正確な距離は不明です。)は、パスポートが飛行機の中の犯人のポケットやカバンや機体の壁やビルの壁からどうやって飛び出したのかを知る上で重要な問題ですが、正体不明の通行人が発見したとする委員会報告書によれば、それらは永遠に不明ということになります。

パスポートの発見場所について米国民が政府に情報公開請求した場合、警察とFBIによる"grid search"によって発見されたとなると、正確な場所を公開しなければなりませんが、氏名不詳の通行人が発見したのなら、公開すべき情報は存在しないことになります。

政府にとって実に都合のよい話ではありませんか。

msq氏は、5W1Hが大事だと書いており、発見された犯人のパスポートについて、阿修羅の掲示板の投稿者が「いつ」と「だれ」を間違っているから陰謀論はインチキだということを言いたいのだと思います。

では、msq氏が正しいと認める委員会報告書は5W1Hを踏まえているでしょうか。

だれだか分からない通行人が拾ったというのですから、「いつ」、「どこ」、「だれ」、「なぜ」、「どうやって」という要素が特定できません。

こういう方法で証拠が出せるなら、どんな証拠でもねつ造できるでしょう。

ただし、「いつ」発見されたかについては、両ビルの崩壊前とのことなので、時間帯がかなりしぼられてはいますが、上記のように、かえって不自然さが増します。

msq氏は、パスポートの持ち主の名前や発見の時期を間違えるのはマヌケだと批判していますが、皮肉なことに、委員会報告書を正しいとすることによって、かえって5W1Hをないがしろにし、事実を究明させない方策を支持する結果となっています。

msq氏は、「確たる根拠がなければ信じるに足りず」なんて書いてますが、やっていることは逆です。

5W1Hを特定できる話を無視し、確たる根拠にたどりつけない委員会報告書を信奉しています。

ちなみに、確たる根拠を出す責任があるのは、捜査権を持たない市民ではなく、政府です。

CNNの報道によれば、パスポートは警察とFBIの"grid search"によって発見されたのですから、正確な日時、場所、発見者、発見時の状況が明らかにできるにもかかわらず、この報道をmsq氏も委員会も無視するのは、真実を追及されてはまずいから、と考えざるを得ません。

パスポート問題の本質は、ハイジャック犯のパスポートが都合よく見つかるのは不自然だということです。ハイジャック犯の名前は枝葉末節の問題です。パスポートに書かれた名前が犯人とされた人たちであれば、問題の本質は変わりません。

枝葉末節の誤りを針小棒大に採り上げ、だから陰謀論はすべてインチキだという論法は詭弁の典型です。

どうでもいい部分で揚げ足取りをして騒ぎ立てるのは、人々の目を問題の本質からそらすためだとしか思えません。

●アタのパスポートは空港にあった

阿修羅の掲示板にコメントを書いた人が挙げたモハメド・アタのパスポートについて、msq氏は次のように書いています。

ではモハメッド・アタのパスポートはどこで発見されたのか。「公式見解」といってよいワシントン・ポストによればボストンのローガン空港に置き去りにされたアタの荷物の中に残されていたことになっています。

モハメド・アタとは、Wikipediaモハメド・アタによれば、「アルカーイダのテロリスト。アメリカ同時多発テロ事件の首謀者であり実行犯とされる。」人物です。

人間緊張すれば忘れ物もするでしょうが、あれほど緻密な犯罪の首謀者が空港に忘れ物をするものでしょうか。それとも何か意図があって、わざと荷物を置いたたのでしょうか。いずれにせよ不自然です。

アタの荷物が11便に積み込まれなかったのは、空港職員の故意又は過失によるものかもしれませんが、理由は不明です。

msq氏が引用する2001年9月16日付けワシントンポストによれば、ボストンのローガン空港に置き去りにされたアタの荷物の中には、パスポートのほかに、遺書と国際運転免許証、ボーイングの旅客機の操縦法指導ビデオ、そしてイスラム教の礼拝のための暦も含まれていたそうです。

政府にとっては、願ったり叶ったりの証拠物件です。

「ボーイングの旅客機の操縦法指導ビデオ」があったと書いてありますが、ボーイングの型番は書かれていませんし、入手経路も明らかになっていないと思います。

アタの荷物もまた、存在する理由を合理的に説明できない証拠なのです。

●FBIはマヌケではないのか

msq氏は、パスポートに書かれた犯人の名前を間違えるのはマヌケだと言います。

では19人のうち7人が生存しているという9.11の実行犯リストを公表したFBIはマヌケではないのでしょうか。

一例を挙げれば、アメリカン航空77便を乗っ取ってペンタゴンに突入したとされるサレム・アルハムジは、ガーディアン、テレグラフ、ロサンゼルス・タイムズが報じたところによれば、「サウジアラビアのヤンブーにある、政府が所有する石油・化学プラントで(事件後も)働いている」(ベンジャミン・フルフォード著「暴かれた9.11疑惑の真相」p160。括弧書きは引用者)そうです。

彼は、「アメリカにも一度も行ったことがなかった。ところが、FBIによって公開された写真や生年月日などは全てアルハムジ自身のものだったのだ。事件の3年前、エジプトでスリにパスポートを盗まれたことがあるという」(前掲書p161)のです。

これが事実だとすれば、msq氏の論法によれば、人違いをするFBIはマヌケであり、政府の説明は全部デタラメだということになるのではないでしょうか。

しかし、msq氏は、そんなことは言いません。懐疑論者の誤りには厳しく、政府の誤りには甘いのです。二重の基準を持っているのです。

msq氏は、確たる根拠がなければ信じるに足りずと書きながら、確たる根拠がないのに無実の人間を大量殺人者としてホームページに10年間も公表し続ける人権蹂躙集団であるFBIに対する批判をしているのでしょうか。していないと思います。探すつもりもありませんが。

おさらいです。相手の主張の本質的でない部分で誤りを見つけ、一事が万事という論法で、相手の主張全体が誤りであるかのように印象づける詭弁は、よく使われますので注意したいものです。

(文責:事務局)
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