2017年2月22日の会議に中江総理秘書官も出席していた(森友学園問題)

2018-06-17

●文春が新事実を報道していた

菅内閣官房長官は2017年2月22日に改ざん前の決裁文書の存在を知らなかったという答弁は崩れたに書いた同会議の出席者について、2018年3月に週刊文春が新事実を報道していたことに最近気がついたので訂正します。

阿修羅記事の財務省が森友学園に口裏合わせを要求していた! 安倍首相「私や妻が関係していれば辞める」発言の直後に(リテラ)のコメント欄に次のような記述があります。

【官邸ルートは中江元哉総理秘書官】さらに決定的なことに2.22改竄会議に官房長官側として《中江元哉総理秘書官(山口県出身)》が同席していたことが判明。安倍直下の腹心である政務秘書官今井尚哉が財務省出身の中江元哉秘書官を通して財務省に決裁文書改竄の指示を出していた疑いが強まった。注目の総理秘書官は経産省出身の今井尚哉氏と、財務省出身の中江元哉氏。

「中江氏は『今井さんがこう言っているんだから』と、よく財務省の後輩を怒鳴っています。森友問題でも今井氏の意向を本省に伝えていた可能性が高い。今井氏、中江氏の動きが鍵」と財務省関係者(週刊文春4月5日号)

それが事実なら、「首相執務室のある官邸5階は特殊な構造だ。首相執務室、官房長官室、官房副長官室は外から見えない内廊下でつながっている。つまり、外からは官房長官室に入ったように見えても、内側で誰と会っているかはわからない。官房長官への説明のさい、今井秘書官が同席していたことは十分、考えられる。」(まぐまぐニュースの首相夫妻へ忖度はあったか?肝心な事が抜けた財務省の森友報告書)という推理は、ほぼ当たっていたことになります(文春記事の前に書かれていたとすれば、ですが)。

●会議の出席者を改めて書く

文春記事が事実だとすれば、2017年2月22日の会議の出席者は、次のようになります。

総理大臣秘書官(中江元哉)
内閣官房長官(菅義偉)
長官付き秘書官(寺岡光博)
理財局長(佐川宣寿)
理財局総務課長(中村稔)
財務大臣官房総括審議官(太田充)
航空局次長(平垣内隆)
航空局総務課企画官

●太田理財局長は出席者を必死に隠そうとした

2018年4月3日の衆議院財務金融委員会で川内博史議員が上記会議の出席者を質問しましたが、太田理財局長は、「委員お尋ねの件は、要すれば、誰が出席したか、ということは、誰が説明したか、ということだと思います。」と質問の趣旨を捻じ曲げ、「誰が説明したか、なんて聞いていない。答えないのは不誠実だ」と追いつめられると、「出席者を細かく答える必要はない」と繰り返し、答えませんでした(その様子は川内博史 (立憲) 森友文書「改竄」理財局長は反省がない!:4/3衆院・財金委で見られます。)が、委員長に答えるよう促された後、調べるという口実で委員会室から席を外し、おそらくは官邸の承認を得て、渋々答えた出席者の中に中江秘書官の名はありませんでした。

それどころか、川内からは、「長官側だけではなく、官邸側ということでどなたかいらっしゃったということはないですか」と確認されて、「官邸側ということで申し上げますと、官房長官と担当の秘書官ということでございます。」と明言しています(川内博史 (立憲) 国交省「同席者、確認が出来なかった」:4/3衆院・財金委の2:15〜)。

●改ざんは官邸ぐるみだった

したがって、文春記事が正しいとすれば、太田は川内をだましたことになります。

太田が隠していたとすれば、その理由は、総理秘書官が出席していたとなれば、安倍の2018年3月11日まで改ざんされていたことを知らなかった、との発言や、同月19日の参議院予算委員会での「(改ざん前の森友文書の)存在すらも知らないし、指示しようがない」(2018年3月19日付けロイター、書き換え前文書、存在すら知らなかった=安倍首相)という答弁に疑念が生ずることを避けたかったことだと思います。

政府は、昭恵らの名前の入った決裁文書が報告されたとしか思えない2017年2月22日の会議に総理秘書官が出席していたことを隠していたのですから、公文書改ざんは“官邸ぐるみ”だったとしか思えません。

●菅の言い訳は苦しい

そうなると問題は、2017年2月22日の会議で昭恵らの名前の入った決裁文書が菅と中江に報告されたのか、ということです。

菅は、同月24日午後の記者会見で「決裁文書にほとんどの部分というのは書かれているんじゃないでしょうか。」と思わず言ってしまったために、改ざん前の決裁文書を既に見ていたのではないかと疑われています。

そのことについての質問を日本共産党の辰巳孝太郎議員が2018年6月11日の参議院決算委員会でしています。

動画は、以下で見られます。
菅官房長官が辰巳孝太郎にブチキレて言い逃げさせず怒りのガチ説教!最新の面白い国会中継【アパッチのおたけび】

この場面をBN政治というサイトの共産党議員の質疑終了後、菅官房長官が苦言呈し訂正求める場面「そういう表現やめるべき」が、ある程度書き起しています。

菅の言い訳は、「政府の行政文書管理の規則と一般論を述べたものであって、森友学園に関する特定の文書の内容について話をしたものではありません。」というものです。

これは苦しい言い訳です。自衛隊イラク派遣の日報が決裁文書との関連で問題になったことはないからです。

当然、辰巳は、次のように質問しました。

それ、森友学園についての話をしたわけじゃないって言うんですか。防衛省の問題で言ったということですか。これ全く森友学園にはかすりもしてない話を、決裁文書にほとんど書かれているんじゃないでしょうか、こういう話ですか。おかしいでしょう。

菅の答弁は、次のとおりです。

それは考えすぎじゃないでしょうか。と申しますのは、まず財務省の文書の管理規則について申し上げました。従来は事前の質問は、それぞれの秘書官が調整しますから、あの質問を聞きますから、これは答弁(書)はなかったんです。この”サラ問い”については。

ですからこれについて私は30年の話をしました。これは各省庁ともですね、そうした文書管理っていうのは行っているわけでありますから、そうしたものに、決裁文書にいろんなことが書かれているのはある意味では自然じゃないでしょうか。

しどろもどろという感じで、何を言っているのか分かりません。事前に答弁案が用意されていたかどうかなんて聞いていないのに、問わず語りをしています。意味のない話をして、考える時間を稼いでいたのではないでしょうか。

菅は、「それ、森友学園についての話をしたわけじゃないって言うんですか。防衛省の問題で言ったということですか。」という質問にまともに答えていません。

結局、イラク日報と決裁文書の関連で問題になったことはないのですから、菅は、森友学園についての決裁文書のことを念頭に言ったと考えざるを得ません。

(文責:事務局)
フロントページへ>その他の話題へ>このページのTopへ