3か所目の飲料水兼用耐震性防火水槽が完成

2009-04-16

●3か所目の飲料水兼用耐震性防火水槽が完成

2009-04-05下野は、「鹿沼/震災時の飲料水確保/3カ所目の貯水槽完成」の見出しで次のように報じています。

震災発生時の地域住民の飲料水や消火用水の確保などを目的に、市が麻苧町のジャスコ跡地に建設を進めてきた飲料水兼用耐震性貯水槽が完成し、4日に披露式が行われた。
(以下略)

今回の貯水槽整備は、東中、市消防本部に次いで3か所目となります。貯水量は100m3です。「この貯水量は約1万人に対し必要な飲料水を3日間供給が可能」とされています。

●記事に金額が抜けている

飲料水兼用耐震性防火水槽の問題については、過去記事飲料水兼用耐震性防火水槽整備はだれの手柄か 及び飲料水兼用耐震性防火水槽整備の予算がついたに書いたように、費用対効果や代替案が検討された形跡がない点で問題があると考えます。

上記下野の記事を最後まで読んでもこの貯水槽の整備に要する費用がいくらだったのかが分かりません。

「広報かぬま」(2006年4月25日号)に「飲料水兼用耐震性防火水槽整備事業費 6200万円」と書かれているのですから、今回もそれくらいかかったのでしょう。下野はなぜ費用を書かないのでしょうか。費用を書くかどうかについて行政当局にうかがいを立てているわけではないですよね。

同日の下野に「都賀町の水/より安全に/第2浄配水場が完成」の見出しで、都賀町で第2浄配水場が完成したことを報じています。この記事には、「建設費は4億7280万円。」と書かれています。

都賀町の第2浄配水場については費用を書くのに、鹿沼市の飲料水兼用耐震性防火水槽については費用を書かないのはどういうことでしょうか。金額の大小で区別したのでしょうか。6200万円は、書くに値しない金額なのでしょうか。

とにかく飲料水兼用耐震性防火水槽整備のために1億8,600万円程度が使われたと思います。議員が多額の政務調査費を使っているのですから、全国の例を調べて、もっと安く上がる方法を検討してもよかったと思います。

この事業を推進した人たちは、国庫補助が使えるので、鹿沼市の持ち出しはもっと少ないと言うでしょうが、国庫補助金も天から降ってくるものではなく、結局は私たちの払った税金であることを忘れては困ります。

●2系統による供給の安定化とは

ちなみに都賀町の第2浄配水場の水源って地下水ですよね。思川開発事業に参画した市町では、地下水源を削減しなくてはいけない、その穴埋めとして表流水を確保する必要があるということだったのに、賢明にも思川開発事業に参画しなかった都賀町には新規に地下水を掘っていいという認可が出ているわけです。ダム建設を正当化するために地下水削減が理由にされていることの証拠ではありませんか。

記事によると「第2浄配水場の完成で配水ルートが2系統になり、町東部(平川、升塚、合戦場、家中)へ水道水がより安定的に供給できるようになった。」そうです。

鹿沼市の当局は、「地下水と表流水の2系統の水源による、安全で安定した上水道の整備」(2001-05-10広報かぬまp5)などと言っていますが、気候に左右されやすく、高くてまずくて安全性の低い表流水をブレンドして、どこが「安全で安定」なのか分かりません。都賀町のように、地下水の水源を増やして系統を増やす方が本当の安定供給につながるのではないでしょうか。ただし、今後の人口減少を考えると、今回の都賀町の投資は、過剰な設備投資になる可能性もあると思います。

(文責:事務局)
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