「フライデー」が9.11疑惑を報道

2007-09-20

●9.11陰謀説を紹介したことは評価する

「フライデー」07-09-21号が9.11陰謀説をトップ記事で紹介しています。「大惨劇から6年 「航空機の激突では倒れないビル」にアメリカ物理学者が新学説 WTC(世界貿易センタービル)テロは陰謀!」の衝撃」という見出しです。

講談社という大手メディアが陰謀説を記事にしたことは、とにかく評価しなければならないと思います。ほとんどのメディアは赤旗を含めて陰謀説を黙殺しているのですから。もっとも、テレビ朝日と「SPA!」(扶桑社)が陰謀説を取り上げたようです。また、2006年に「週刊ポスト」(小学館)と「フライデー」がベンジャミン・フルフォード氏の記事を載せたようですから、「フライデー」が取り上げるのは2度目のようです。

しかし、記事を読んでみるといろいろ問題があります。

●今ごろ「新学説」とは

記事の言う「新学説」とは、アメリカ人物理学者で元ブリガムヤング大学教授のスティーブン・ジョーンズ氏の唱える「爆破説」です。

しかし、ベンジャミン・フルフォード著「9.11テロ捏造」(徳間書店)p31には、「さらに爆破解体用の火薬が使用された痕跡が発見されている。ブリガム・ヤング大学のスティーブン・ジョーンズ教授(物理学)の研究成果だ」と書かれています。この本は、2006-07-31に発刊されていますから、教授が爆破説を発表したのは、1年以上前です。今ごろ「新学説」と呼ぶのは不適切ではないでしょうか。

記事によると、ジョーンズ教授の説は、WTC崩落で生じた瓦礫や粉塵を電子顕微鏡などで微細に分析すると「サーメイト反応」が見られる、何者かがサーメイト反応を利用した爆薬を設置したと考えられる、というものです。

●記事の問題点(この項目2007-10-23修正)

記事には「(ツインタワーに)2機の民間航空機が突っ込んだ」と書かれていますが、「民間航空機」であるという証拠があるのでしょうか。ビデオではボーイング767に見えないことは、当サイトの「WTC7の爆破がフライング報道されていた 」に書きました。"Welcome to ののちゃんち"というサイトの9.11 世界貿易センタービル北棟にAA11便、南棟にUA175便が突っ込む映像の分析というページを参照されることをお勧めします。 青山貞一氏の9.11自作自演論の検証(1)にもいい写真が載っています。 

「アメリカ建国以来初の”本土攻撃”となった」という件も自作自演説を否定する前提で書かれています。陰謀説を取り上げるということは、自作自演の可能性を否定しないということであり、そうであるなら外部からの攻撃を前提とする「本土攻撃」とは書けないはずです。

「'01年9月11日、WTCのツインタワーに2機が激突したのと時をほぼ同じくして、首都ワシントンの国防総省ビルにアメリカン航空機が墜落し、ペンシルバニア州内でもユナイテッド航空機が墜落」と書かれていますが、国防総省ビルの近くには「84個もの監視カメラが設置されている」(前掲書p34)のに、アメリカン航空機を写したビデオが公表されていませんし、ガソリンスタンドの監視カメラでとらえたはずの衝突時の映像もビデオテープがFBIに没収されたまま全面公開されていません。また、ペンシルバニア州内で墜落したとされるユナイテッド航空93便(ボーイング757、登録番号N591UA)についても、アメリカ政府は「機体をはっきりと特定する証拠を提出しなかった。それどころか、登録番号N591UAの機体は今でも運行中だと報告されている」(前掲書p61)そうです。

記事には、「「航空機を激突させるだけでは足りず、爆薬まで仕掛けてWTCを『完全破壊』しなければならなかった理由」までは、ジョーンズ氏の学説に納得のいく説明はない」と書かれていますが、爆薬を仕掛けた理由まで物理学者に求めるのは酷です。ビルを完全破壊した理由は、いろいろ考えられるではありませんか。

○被害が大きいほど犯人とされる者の残虐さが人々の脳裏に焼き付き、アメリカ政府が犯人とみなしているイスラム教過激派を攻撃することへの国民や国際社会の支持が得やすいという利点がアメリカ政府にはあります。アメリカ愛国者法も成立しやすくなります。

○軍事予算も増やしやすくなります。この事件を境にアメリカの軍事費は、2200億ドルから4400億ドルへと増えたようです。9.11で得をした人が犯人ではないかと考える人がいても無理はありません。

○衝突した航空機まで爆破してしまえば、ビルに衝突した飛行機が民間航空機か軍用機か分からなくなり、「ハイジャックされた民間航空機がツインタワーに衝突した」という政府の筋書きが反論されにくくなります。9.11が陰謀だとすれば、証拠隠滅という動機は働きます。突入した2機は、遠隔操作された無人軍用機であったという説もあります(前掲書p36)。無人飛行機を遠隔操縦する技術を持った会社の役員がブッシュの閣僚だったという話もあります(後掲リチャード・コシミズ講演会)。ツインタワーに衝突した2機の飛行機の四つボイスレコーダーさえ政府の発表では発見されなかったとされています。しかし、現場の作業員は、三つのボイスレコーダーは回収したと言っているとフィラディルフィア・デイリー・ニュースは報じているとのことです(前掲書p383)。アメリカ政府は衝突した飛行機の正体を知られたくないのではないでしょうか。そうだとすれば、飛行機ごと爆破する意味はあります。

○WTCビル群のリース権を有するラリー・シルバースタイン氏は、事件の7週間前にビル群にテロ保険をかけていたそうで、保険金額は35億ドルだったとのことです(前掲書p27)。彼にとって、ビルが焼け残るよりも、全壊した方が保険金がたくさん入って儲かります。

○唐突な感じですが、リチャード・コシミズ氏は、ドル防衛及び1200億ドルのブレディー債疑惑等の金融犯罪の証拠隠滅だと言います。詳しくは、同氏の講演会「WF12月リチャード・コシミズ講演 「9.11は誰が何のために引き起こしたのか??」 「なぜ、メディアは9.11疑惑を報道しないの?か?」をご覧ください。

○ツインタワーは、古いビルで維持管理経費が高くつき、所有者にとってお荷物だったようです。おまけにアスベストが多量に使われており、まともに解体処理しようとすれば、10億ドルくらいの経費がかかりますが、テロリストが全壊したことにできれば、無料で解体できますので、ビルの所有者は大助かりです(前掲書p381参照)。

●ついでにテロ特措法の期限延長問題に言及する(07-09-23修正,2007-10-23追記)

9.11は、テロ特措法制定のきっかけとなった事件です。

安倍晋三首相や麻生太郎衆議院議員は、9.11で24人の日本人が犠牲になった。だから、インド洋での自衛隊による給油活動は、アメリカのためでなく、日本のためにやっているのだ、と言いますが、9.11が自作自演だとすれば、テロ特措法延長問題はすべて茶番です。そもそも9.11の真犯人はだれなのかを議論すべきなのですが、マスコミではタブーになっているようで、赤旗までが根本的な議論を避けていることは9.11に関するWikipediaは非科学的に書いたとおりです。

週刊金曜日2007-09-21号p26で成澤宗男氏は、「そもそも米司法省は「9.11」以降、「法執行」上一人も実行容疑者を特定していない。同省の執行機関・FBIのホームページには、オサマ・ビン・ラディンが「最重要指名手配」となっているが「容疑は(中略)「アフリカでの米大使館爆破事件」。理由としてFBIは、本人を「9.11」と「結びつける証拠はない」からだと説明している。モハメド・アタら、「19人のハイジャック犯」についても同様。FBIのロバート・マラー長官は02年の段階で、「(実行したという)確たる証拠を見つけることができなかった」と認めている。」と書いています。9.11がテロリストによる犯行であることの証拠がない以上、9.11がテロ攻撃であることを前提とするテロ特措法は、正当性を持ち得ません。(この段落2007-10-23追記)

テロ特措法がアメリカのためであることは、朝日新聞07-09-16が暴いています。即ち、2001-09-25の時点では、テロ特措法の法案名は、「二千一年九月十一日のアメリカ合衆国におけるテロ攻撃に関連して措置をとるアメリカ合衆国の軍隊等の活動に関する支援措置に関する特別措置法」であったというのです。「アメリカ合衆国の軍隊等の活動に関する支援措置」とちゃんと書いてあります。

民主党の期限延長にからんで、テロ特措法が国連安保理決議に基づくかどうかも論点になっています。

問題の国連安保理決議は、外務省のサイトの安保理決議1368(訳文)で見られます。決議では、「犠牲者及びその家族並びにアメリカ合衆国の国民及び政府に対して、深甚なる同情及び哀悼の意を表明する」とあるので、自作自演ではあり得ないという前提で決議されています。したがって、自作自演ならナンセンスな決議です。

外務省の上記ページには採択の日付が書いてありませんが、事件の翌日の01-09-12に採択されています。「アルカイダによる犯行」とは書いてありませんが、事件の翌日に、なぜ犯人がアメリカ政府でなく、テロ組織によるものだと分かるのでしょうか。手回しがよすぎませんか。

アメリカ政府が調査委員会を設けたのが、事件から14か月経った、02年11月です。報告書が出たのが04年7月です。国連という組織は、事件の翌日に犯人が分かるほど調査能力のある組織なのでしょうか。

ちなみに、調査委員会の正式名称は"National Commission on Terrorist Attacks Upon the United States"です。調査する前から"Terrorist Attacks"だと決めてしまうところがすごいですね。

もひとつちなみに、「真珠湾攻撃およびケネディ暗殺事件では1週間後に独立調査委員会が作られた」そうですし、9.11では「 独立調査委員会発足がブッシュ政権の反対と妨害にあった」そうです。また、調査委員会はブッシュ政権が自ら進んで設置したものではなく、「12家族で構成される「9.11遺族運営委員会」の働きかけによるもの」だそうです(以上9/11Press For Truth参照)。

ブッシュ大統領は、未曾有の大惨劇を進んで調査しようとしないから疑われるのです。

テロ特措法の問題点については、平和フォーラムというサイトが【解説】テロ特措法改正の問題点というページで極めて正当に指摘しています。ただし、同ページの「テロ特措法はどうして作られたのか」という項目で「2001年9月11日、米国でハイジャックされた民間航空機4機が、ニューヨークの世界貿易センタービル2棟と、ワシントンの国防総省に自爆攻撃を行い、2973人が犠牲になりました」と書いており、フライデー同様、大筋の事実関係についてアメリカ政府の公式見解に依拠しているのは問題だと思います。

自衛隊の補給艦がアメリカとイギリスの補給艦に給油し、結局、給油した石油の8割がイラク戦争に使われていること(英米が言わば「オイル・ロンダリング」をやっていること)を江田けんじ衆議院議員が07-08-31の「朝まで生テレビ」で暴露しました(はてなダイアリーの「テロ特措法」の項目参照)。日本政府はそのことを知っていて国民をだましていたようです。具体的事例として、「海上自衛隊の補給艦「ときわ」が03年2月25日に米空母キティホークに間接給油した」ことについてピースデポという団体が「ピースデポ調査・緊急報告 海自艦が給油した米艦はイラク作戦に使用した」というページで「2004年から2006年にかけ、米情報公開法による請求、あるいは海軍歴史センター(米ワシントンDC)における閲覧によって得られた」資料に基づき詳しく実証しています。

07-09-20の報道ステーション(テレビ朝日)でも特集で報道されました。「日本政府は当時、キティホークがテロ特措法が前提とする対テロ活動にも従事していたとし、「給油量は20万ガロンで、瞬間的に消費してしまう量。イラク関係に使われることはあり得ない」と説明していた」(朝日新聞07-09-21)そうですが、ウソだったようです。

市民団体「イラク派兵差し止め訴訟の会」も「イラク特措法」による空自C-130輸送機の活動は、ほとんど米軍兵士の輸送に使われていたという事実を今年にかけて明らかにしています(根拠は政治ニュース 格物致知というサイト)。

間接給油等の問題が国会でも議論されていたことを知ってか知らずか、07-09-16の関口宏の番組「サンデーモーニング」で評論家の大宅映子氏が「イラク戦争とアフガン戦争は別なのだから、民主党はアフガン戦争のための給油活動に反対するのはおかしい」という趣旨の発言をしたところ、関口氏から「でも(自衛隊から給油された石油は)イラクにも行っているんでしょう」と突っ込まれ、「でもタテマエとしては行ってないことになっている」と大宅氏は言いました。現地の軍隊が両戦争を区別していないのですから、アフガニスタン戦争だけには支援すべきだという議論はナンセンスです。事実関係をタテマエで議論していても、正しい結論は導けないと思います。

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