9.11に触れると言論弾圧を受ける(その2)

2007-12-26

このページは、異常に長いのでご注意ください。異常への対処ですので、ご容赦ください。

●現状で保存せよ

"ツインタワーの鉄骨が溶けたのか、砕けたのかという疑問も詳しく調べれば明らかになるのに、さっさと鉄くずとしてインドに運んでしまったそうです。要するにアメリカ政府がビル崩壊の原因を調査したくないのです。"

中国やインドに残骸の鉄が輸出されたのは事実ですが、すべて調査の後の話です。初期に255トンほどの残骸が決められたスクラップ置き場以外で発見され、これらが盗難に遭ったものと分かりましたが、結局回収されています。残骸が調査されたことはFEMA、NISTの報告書に、鋼材のリストと写真があることから確認できます。また、一部は、まだ保存されていますし。米各地で記念碑の一部にも使われています。やはりこれも、事実に基づいていない主張です。

原因を調査するなら、原因が分かるまで現状のまま保存するのが調査の常道ではないでしょうか。どこかに一部が保存されていればいいというものではないでしょう。ちなみに、どこかに保存された残骸の一部を使って国民が研究することは許されているのでしょうか。アメリカ政府は、9.11に関する真相究明をテロと同一視していることは既に書いたとおりですから、研究は許さないでしょうね。

彼は、FEMAやNISTが調査したから問題ないようなことを書きますが、前記のようにNISTは、説明になっていないことを認めています。また、アメリカ政府の自作自演ではないかと疑われているときに、「政府の機関が調査したから問題ない」という理屈を安易に認めたら、疑惑の追及などできません。政府に調査させるしかないとしても、調査結果を鵜呑みにするのではなく、合理的な説明を求めるべきです。

●意味不明

"9/11委員会ができてもホワイトハウスは様々なレベルで調査の進行を妨害してきた。"

この理由は、陰謀説、自作自演説でしか説明出来ないことでしょうか。そう考えれば、何の根拠にもならないことは分かります。故意に事件を計画しなくとも、あるいは故意に見逃さなくとも、(注意: どちらも可能性はゼロです)責任を問われる事柄はいろいろあります。森首相は2001年2月の「えひめ丸」の事件のときゴルフを続け批判を受け、これだけが原因ではありませんが結局2ヵ月後には退陣しています。そして、当時ブッシュは日米関係重視の点から非常に早くから対応していました。ところが、後に分かることですが、ブッシュは、テロの危機が差し迫っていた夏、ゴルフ三昧ですごしていたのです。これは一例。一部で情報を得ていたにしても政府機関の官僚の各レベルでもさまざまの失態が重なったなどなど。

意味不明でコメントのしようがありません。

●寝た子を起こすはずがない

"そして、9/11委員会報告書の目的は、政府・軍に落ち度がなかったことを説明することだったようで、「実際のところ、本報告書は、政府、とくに軍(ペンタゴン)が9/11事件に関与しているという可能性を全面否定するのにほとんどのページを費やしている。」と書かれています。"

報告書は政府の情報機関の連携が不十分だったこと、NYCの消火、救援の体制の問題点、軍の問題点を指摘しており、妥当か否かは別として、報告を受ける形でさまざまの改革が行われました。つまり、事実としては 9/11委員会報告書の目的は、政府・軍に落ち度がなかったことを説明することではありませんでした。

政府、とくに軍(ペンタゴン)が9/11事件に関与しているという可能性を全面否定するのにほとんどのページを費やしている。 なら、当然、「軍が9/11事件に関与したか」という疑問、またはそれに近い問題提起が報告書の中に書かれているはずです。少なくとも、もとより、そのようなスタンスの報告書ではないのですからそのような記述もありえません。ちなみに、『 9/11委員会報告書 』 とは、グローバル=ピース=キャンペーン(GPC)のサイトで、デイビッド=レイ=グリフィンの『 9/11委員会報告書 "省略と歪曲 " 』という、独立調査委員会報告を批判する本を紹介しているページです。なお、GPC の代表者の きくちゆみ氏は同報告書を読んでいない(2006年夏)と言っています。このページの著者は森田玄氏と思われるので、森田氏が読んでいるか否かについては不明ですが、報告書に書かれている内容を正しく反映しているかについては大いに疑問があります。

msq氏は、「政府、とくに軍(ペンタゴン)が9/11事件に関与しているという可能性を全面否定するのにほとんどのページを費やしている。 なら、当然、「軍が9/11事件に関与したか」という疑問、またはそれに近い問題提起が報告書の中に書かれているはずです。」と書きますが、アメリカ政府が自作自演をしたのだと仮定すれば、自作自演とは夢にも思わない国民が当時は相当いたかもしれないのに、わざわざ寝た子を起こすようなことをするはずがないじゃないですか。これまでもアメリカ政府は様々な自作自演をやってきましたが、自ら自作自演説を紹介するようなことをしてきたとは思えません。自作自演の数十年後に関係資料を渋々情報公開してきたのが実情でしょう。

したがって、「「軍が9/11事件に関与したか」という疑問、またはそれに近い問題提起が報告書の中に書かれているはずです。」という前提は成り立ちません。したがって、そうした疑問や問題提起が報告書の中に見当たらないから、「実際のところ、本報告書は、政府、とくに軍(ペンタゴン)が9/11事件に関与しているという可能性を全面否定するのにほとんどのページを費やしている。」という記述が誤りであるということが論理必然的に言えるわけではありません。

9/11:Press for Truthというサイトには、次のように書かれています。

真珠湾攻撃およびケネディ暗殺事件では1週間後に独立調査委員会が作られたが、あの9月11日テロ事件ではそうはならなかった。

独立調査委員会発足がブッシュ政権の反対と妨害にあったことはほとんど知られていない。調査委員会発足は12家族で構成される「9.11遺族運営委員会」の働きかけによるものであるが、最初のヒアリングが始まったのは、9.11攻撃から14か月後だった。

この12家族は調査委員会委員長に何百もの十分研究された質問リストを提供し、調査活動の監視も勢力的に行った。しかし最終報告は調査すべき疑問の30%しか答えていなかった。

政府が調査に後ろ向きであったことは明らかです。このことは自作自演説の重要な状況証拠であるにもかかわらず、msq氏は上記のように"9/11委員会ができてもホワイトハウスは様々なレベルで調査の進行を妨害してきた。"ことについて意味不明の文章を書くだけで、反論しないのはなぜでしょうか。

●「したがって」の使い方が間違っている

したがって、"アメリカ政府が事実を公開したくない、原因を調査したくないという姿勢では、陰謀説が正しいと見られても仕方がないでしょう。 "という主張は全くの的外れです。陰謀説が全くお話にならないガラクタだから、相手にされていないというのが現実でしょう。

「したがって」の前には理由があるものです。理由が書いてないのに「したがって」を使うのは誤りです。msq氏は、政府が調査に後ろ向きだったと私が書いたことに何の反論もしていません。きくちゆみ氏が調査報告書を読んでいないことは、政府が調査に後ろ向きだったことと関係ありません。

「陰謀説が全くお話にならないガラクタだから、相手にされていないというのが現実でしょう。」とのことですが、政府が自作自演をやっていたとしたら、陰謀説がガラクタか否かにかかわらず陰謀説を無視するのが当然でしょう。「陰謀説が的を射ているほど相手にしたくない」のが政府の本音でしょう。議会小委員会が真相究明をテロとみなすと決めたのは、アメリカは、陰謀説を無視するだけでは足りず、潰す必要があると考えているということを意味すると見るべきでしょう。

●「虎の威を借る狐」

"ツインタワーの崩壊に関して、「早い時期に、新聞などで、ビルがパイプ構造で、熱で鉄鋼の強度が落ちて、衝突現場から下に向かって連鎖的に崩壊が広がったという解説(※5)があり、これは大体理屈に合った説明です」と書いています。しかし、「熱で鉄鋼の強度が落ち」たと言うなら、ビル内でどの程度の熱が発生して、鉄鋼がどの程度強度が落ちたのかが分からなければ、科学的に結論を導いたとは言えません。作者が(※5)で示しているサイトを見ても、熱と鉄鋼の強度の関係は書かれていません。"

ごもっともなご指摘にみえます。しかしです。しかし、当時の新聞などにそういう解説が載っていたことも事実です。そして、すこし後に専門家の立場からやや詳しい説明をしたのが「※5」に紹介したものです。そして、「※5」が専門家の見方である以上は、「熱で鉄鋼の強度が落ち」たという説明だけでも納得し得ることですし、経験上、鉄は温度が上がると変形し易いこと、変形加工する場合に熱を加えることなどはおそらく多くの人は知っていますから、その説明に無理な点はありません。科学的か否か持ち出す以前の問題です。

msq氏は、「「※5」が専門家の見方である以上は」と書きますが、専門家の見方が分かれていることを彼は理解していないのでしょうか。物理学者のスチーブン・ジョーンズ氏は、専門家ではないのでしょうか。msq氏は、専門家の意見は尊重すべきだとしながら、専門家のスチーブン・ジョーンズ氏の爆破解体説を尊重しないのは、矛盾していると思います。専門家だって所詮人間ですから、間違ったことを言うこともあるし、何らかの利益のためにウソをつくこともあるはずです。

複数の専門家が矛盾することを言ったら、どっちの専門家の意見を採用するのでしょうか。科学的・合理的に判断するしかないと思います。「専門家」が言ったかどうかは、正しさの証明にはなりません。

恣意的に専門家の意見を持ち出すのは、「虎の威を借る狐」です。私たちは、「虎の威」にだまされたり、恐れたりしてはいけないと思います。

「しかし、当時の新聞などにそういう解説が載っていたことも事実です。」などと言い訳をするということは、今では自分でも納得できないことを書いていたことを認めているわけですから、潔く「間違ったことを書いていました」と認めたらどうでしょうか。

msq氏は、「「熱で鉄鋼の強度が落ち」たという説明だけでも納得し得ることですし、経験上、鉄は温度が上がると変形し易いこと、変形加工する場合に熱を加えることなどはおそらく多くの人は知っていますから、その説明に無理な点はありません。」と書きます。

「無理な点」はあるでしょう。ツインタワーで鉄が溶けて流れている写真が本(「暴かれた9.11疑惑の真相」)に出ています。1時間程度の火災で、110階のビルのすべての鉄骨が強度を失い、自由落下速度で崩壊し、コンクリートが粉になって四方に飛び散ったことを説明できるのかが問題になっていることをmsq氏は理解しているとは思えません。鍛冶屋が800℃以下の熱で鉄を加工していることを延々と書いている人もいますが、9.11と関係ないでしょう。

●上部階は粉々になった

以下は、msq氏が引用する「NY/WTC 被害拡大過程 被災者対応等に関する日米共同研究」の報告書の一部です。

3. それにより上階の床荷重が下階に付加的な荷重として載ってきた。床構造は自身の階の重量に対して設計されているため、上部数階の重量が衝撃的*に載ってくると、床構造がその荷重を支えきれなくなる。当該ビルは、外チューブ形式で、中央に軸力用の柱が配置されている。スパンは約18mと大きい。床に上部の荷重が乗ってしまった場合床構造は容易に破壊するものと考えられる。

4. いったんその破壊が生じると、下階には加速度的に大きな重量が付加される事になり、映像にあるような連続的な破壊が生じたものと思われる。

「床に上部の荷重が乗ってしまった場合床構造は容易に破壊するものと考えられる。」とのことですが、「床構造は容易に破壊する」としても、コアは残ってしまうはずですから、全崩壊の説明にはなっていないと思います。

上記報告書には、「煙のプリュームから推定される室内の火災温度は、約900℃から1100℃と推定されている」という記述もありますが、推定したのはだれでしょうか。FEMAでしょうか。NISTでしょうか。煙が黒かったことや酸素の供給が不十分だったと思われることから、容易に信じがたく、実験による検証が必要だと思います。

この引用の直前には、「いずれにしろ燃料自体は最初の数分で燃え尽き、そ の後は、航空機自体を含めて衝突した階に存在する可燃物がほとんど燃焼を始めたものと考えら れる」と書かれており、ジェット燃料は高熱に寄与していないということです。「航空機自体を含めて衝突した階に存在する可燃物」で「約900℃から1100℃」の火災となったというのは、矛盾しているように思います。

「NY/WTC 被害拡大過程 被災者対応等に関する日米共同研究」の報告書について言いたいのは、「1-2 建築物の構造被害」p13で「4. 近隣建物の崩壊について 」という項目を立てながら、WTC7の崩壊について全く触れていないのはひどいのではないかということです。

もう一つひどいと思うのは、01-09-11の経緯について「1-2 建築物の構造被害」のp3において次のように書いてあります。
4:10PM 7WTC火災の第一報
5:20PM 7WTC崩壊

火災から約1時間で崩壊したということです。 しかし、 「1-4 火災による建築物への被害」p13には、「WTC1崩壊時の瓦礫による損傷し、複数の階 で火災が発生。約7時間後、下層部から崩壊。 在館者は全員無事に避難。 」と書かれています。火災から約7時間後に崩壊したということです。矛盾していませんか。 こんな研究にだれがいくら払ったのでしょうか。税金ですか。

調査団員のリストを見ると、多いのが東京大学と京都大学と国土交通省の職員です。こうした調査団員が税金を使って調査をしたとしても、日米政府の意向に沿った調査報告しか書かないであろうと思われても仕方がないのではないでしょうか。河川行政においても、この手の専門家によって日本の山河がどれだけ破壊されたかを想起すべきです。

上部階の重量に耐えかねて床が破壊されたという説明は納得できません。以下にヒロさん日記のWTC2の疑問:鉄骨軟化による自重崩壊か、それとも制御解体かから引用させていただきます。msq氏の説明よりも説得力を感じるのは私だけでしょうか。

自重でつぶれていくためには各階がパンケーキのようにズシン、ズシン、ズシンと連続的につぶれて行かなければならない。いわゆる将棋倒しやドミノ倒しのようなものだ。ところがつぶれた階は圧縮された塊りになるのではなく、小麦粉のパウダーのように吹き飛んでいる。パウダー状になると荷重は減る。こんな状態で、どうして77階から1階までつぶれていくのか。それも限りなく自然落下に近いスピードで。

鉄の融点は約1500℃で、ジェット燃料の燃焼温度は約1000℃。しかも、衝突時に燃料の大半は炎となって燃焼し、崩落までの「過熱」時間はわずか56分に過ぎない。仮に上層の鉄骨がチョコレートのように軟化していたとしても、下層の鉄骨は少しは残るべきではないか。

●朝日新聞も納得していない

07-09-12朝日新聞記事「1000遺体なお不明」には、嘉幡久敬記者が次のように書いています。

米連邦緊急事態管理局(FEMA)の調査報告書(02年)は、航空燃料による火災の高熱で鉄骨の強度が落ちてビルが崩壊した、とした。だが、崩壊前に下層階の窓ガラスがたくさん割れたほか、地下駐車場で多くの車が大破したとの証言など、火災説では説明しにくい現象もみられた。

朝日の記者もFEMAの説=msq氏の説に納得していません。筑波大システム情報工学研究科の磯部大吾郎准教授は、ツインタワーへの飛行機の衝突でビルの「背骨(コア柱)」の鋼材がバネのように伸び上がって砕け、各階の床との接合部が外れ崩壊につながったという新説を打ち出したことが紹介されています。磯部准教授もFEMAの説には納得していないということでしょう。それでも「崩壊前に下層階の窓ガラスがたくさん割れたほか、地下駐車場で多くの車が大破したとの証言」やほぼ自由落下速度で崩壊したことを説明できないことに変わりはありませんが。

●「語るに落ちる」

また、指摘の仕方としては、「鉄が500度や600度の温度でやわらかくなるなんて、ウッソー信じられない。だっしー、火災の温度だってわかんないもの〜」で良いのではありませんか。細かい数字の提示がないから科学的でないなんて、回りくどいことはおっしゃらなくともよろしいはずです。

反論の仕方のお説教ですか。要するに科学的な批判はしないでほしいということです。それは、msq氏の文章が科学的でないことを認めていることです。「語るに落ちる」とはこのことです。

政府が科学的な説明をしないことを容認するのみならず、政府を批判する者に科学的な議論はやめろと呼びかけるmsq氏は、テロとの戦いのためにテロリストでない人が何万人も殺されている事態を真面目に受け止めているとは思えません。アメリカ軍によるアフガニスタンへの空爆で犠牲になった人が自分やその家族だったら、という想像力が働かないのでしょうか。

●鉄材はなぜ曲がっていないのか

"Loose Changeというサイトでは、鉄の融点は1650℃だがジェット燃料は好条件で燃焼させたとしても1090℃くらいにしかならないと言っています。ビル内のジェット燃料には酸素が十分に供給されませんから、たとえビル内が火災になっていたとしても、1000℃に達していなかった可能性があります。そうだとすれば、ジェット燃料の熱では鉄は溶けないはずです。"

前の段落で問題にしているのは、鉄は溶けなくとも500〜600度で強度が落ちるということです。そしてそのような温度は、火災ではありうるということだったはずです。であるのに、鉄が溶けるとか溶けないの論議がなぜ出てくるのでしょうか。熱を加えると、鉄はまずやわらかくなって、その後さらに温度が1500度以上で溶けるという話です。やわらかくなった段階、つまり普通の火災で生じる600度ほどですでにアウトだという話をしているのです。ジェット燃料の熱では鉄は溶けないはずです。 ジェット燃料で鉄が溶けなくてもタワーは倒壊したと説明している意味が全然わかっていないようです。

msq氏は、「鉄は溶けなくとも500〜600度で強度が落ちるということです。そしてそのような温度は、火災ではありうる」と書きます。

だから何なんですか。そもそもタワーは黒煙を上げており、火災の温度は低かったはずです。下層階では、火災はほとんどなかったのではないでしょうか(不可解な爆発はあったようですが)。したがって、火災の温度で鉄材の強度が落ちたとしても、110階のビルが10秒前後で崩壊するとは思えません。下層階の鉄の強度がゼロにならないと、自由落下速度で崩壊することはないと思います。しかも1時間程度の火災で下層階の鉄の強度がゼロになることはないと思います。  

2004年10月、ベネズエラの56階建て高層ビルで火災が26フロアに広がり17時間にわたって燃え続けた事故でもビルは崩壊しませんでした(「暴かれた9.11疑惑の真相」p39)。

2005年2月12日スペインの首都マドリッドのWindsorビル(高さ106m、32階建て)で火災が発生し、20時間燃え続けましたが、崩壊しませんでした。もちろんmsq氏は、超高層ビルと32階建てでは違うと反論するでしょう。つまり、ツインタワーでは、飛行機による損傷部が上層階の重量に耐えられず下の階が押しつぶされた、と。しかし、ツインタワー崩壊の映像を見ると、上層階は消し飛んでいて、上層階の重量でつぶれたようには見えませんし、次々に崩れた部分も鉄骨までが四方八方に飛び散っているのですから、垂直方向への力はあまりかかっていないように見えます。むしろ瓦礫が吹き上げているように見えます。少なくとも水平方向に相当強い力が働いたと言えるからこそ、WTC1の"瓦礫"がWTC7まで飛んで同ビルの崩壊の原因となった、というmsq氏の説が成り立ちます。

ここでおかしいと思うのは、msq氏がツインタワーの崩壊を説明するときは、パンケーキ理論のように上から下に力が働いたことを強調するのに、WTC7の崩壊を説明するときには、ツインタワーにおいて水平方向に物を押し出す力が働いたことを前提にしていることです。ご都合主義ではないでしょうか。

msq氏は、「鉄は溶けなくとも500〜600度で強度が落ちる」、「鉄はまずやわらかくなって」と書きます。強度が落ちてやわらかくなった鉄は曲がるのではないでしょうか。ところが、阿修羅の掲示板のWTC設計関係者に見せたい一枚の崩壊画像でタワーの崩壊現場写真を見ると太い鉄材で曲がったものは見当たりません。まっすぐな鉄材の両端が破断しているように見えます。比較的低い熱で強度が落ちたという説明よりも、部分的かつ瞬間的に3,000℃くらいの高熱で鉄が溶けたという説明の方が合理的に聞こえます。彼の説では崩壊現場写真を説明できないと思います。

確かにWTC崩壊により曲がった鉄の映像もあります。動画9/11 Mysteries - Bent Steelでは8トンの梁が飴のように曲げられています。しかし、500〜600℃の熱でこうはならないでしょう。従来の火災でこれだけ太い鉄が飴のように曲がった事例はだれも見ていないと思います。

07-09-12朝日新聞によれば、WTCで約1,000遺体が不明です。黒煙を上げていた1時間未満の火災で約1,000遺体が消えるでしょうか。3,000℃くらいの高熱を前提とすれば、約1,000遺体が見つからないことの説明がつくように思います。

「鉄が溶けるとか溶けないの論議がなぜ出てくるのでしょうか。」。タワーからおそらくは鉄が溶けて流れ出している写真(「暴かれた9.11疑惑の真相」p6)を見ているからです。

「熱を加えると、鉄はまずやわらかくなって、その後さらに温度が1500度以上で溶けるという話です。」。サーマイトを使った場合、「鉄はまずやわらかくなって」の段階はほとんどないと思います。鉄は、いきなり固体から液体になると言っても過言ではないと思います。そういう状況を想定しないと、自由落下速度での崩壊は説明がつかないと思います。

「ジェット燃料で鉄が溶けなくてもタワーは倒壊したと説明している意味が全然わかっていないようです。」。要するに、鉄の強度低下で崩壊したと彼は説明しているわけです。では、コンクリートが粉になり、鉄骨がブツブツと千切れて四方に飛び散った理由を説明してください。

●鉄が溶けないと自由落下速度は説明がつかない

というか、WTC の現場で溶けた鉄のプールとか、溶けた後に冷えて固まった鉄の塊が発見されたというエピソードを紹介しなければ、この段落は意味が通じないのです。書いているご自身は分かっていても、読む人にはわからない。確かに、事件直後の報道に、ごく一部ですが、ビルの鋼材がジェット燃料の火災の熱で溶けて崩壊したというような間違った情報がありました。この誤情報をいまだに真実としている自作自演論者(GPCなど)もいます。そして、現場で働いていた救助隊員や撤去作業に当った作業員や技術者の手記や発言の中で、「溶けた鉄(molten steel)」という言葉が、赤熱した鉄骨や、飴のように曲げられた鉄骨を示す比喩的表現として使われたことも事実です。それらから、現場に本当に溶けた鉄があったとするのが、現在では主流の自作自演説の見方です。そして、なぜそのような溶けた鉄が存在したかというと、ジェット燃料やビルの内部の可燃物の燃焼では鉄の溶けるような高温は発生しません(これは事実で間違いはありません)から、それは、WTC のビルがテルミット(またはサーメート)を使って解体されたからだという意見です。テルミットは、溶けた鉄を生じます。この説明をしない限りは、無意味な、何を言っているのか、分からない部分です。

ジェット燃料が燃えたぐらいで、鉄骨が「飴のように曲げられ」ることがあるのでしょうか。500〜600℃で鉄の強度が半減することは分かりました。鉄骨が「飴のように曲げられ」るには、何度の熱が必要なのでしょうか。

msq氏は、「現場で働いていた救助隊員や撤去作業に当った作業員や技術者の手記や発言の中で、「溶けた鉄(molten steel)」という言葉が、赤熱した鉄骨や、飴のように曲げられた鉄骨を示す比喩的表現として使われたことも事実です。」と書きますが、「"molten steel"が3週経っても、4週経っても、5週経っても残っていた」という証言もあります(Loose Change 2nd Edition Recut参照)。「比喩的表現として使われた」と判断した根拠を教えてください。

確かにmsq氏は、「熱で鉄鋼の強度が落ちて」と書いており、鉄が溶けたとは書いていませんので、鉄が溶ける話をする理由を省略した非は認めます。が、自由落下速度での崩壊を説明するには、単なる強度低下でなく、溶けて強度がゼロになる必要があると思います。厳密に言えば、鉄は溶ける必要はありません。何らかの方法ですべての鉄骨が破断されれば説明がつきます。しかし、超高熱で瞬間的に破断する以外の方法は考えられません。ベンジャミン・フルフォード著「暴かれた9.11疑惑の真相」p46には、鉄骨が破断した写真が掲載されています。断面は溶けたように見えます。

熱でどれほど強度が低下するのか、それを言わなければ科学的でないと私は書きました。msq氏は、「大方の専門家のコメントは、セ氏500度から600度で鉄の強度は半分になるとしています。」と書きます。

下の方の階が「セ氏500度から600度」になったとは思えませんが、たとえなっていたとしても、鉄材は常温での強度の半分の強度を持っていたのですから、自由落下速度での崩壊にはならないと思います。

●サーメイト説は論破されていない

しかし、自作自演の解体に用いられたテルミット(サーメート)を起因とする溶けた鉄の存在の可能性は極めて低いかゼロです。ジョーンズ博士が入手した溶けた鉄の断片には、瓦礫の撤去作業中に行われた溶断作業で生じたと思われるものもあります。また、それらの試料がまさにWTC現場のものであるという説明が具体的になされたこともありません。最近ジョーンズ博士が主張している、USGSの報告にある溶けた鉄の微粒子については、テルミットのほかに、より説明し易い発生原因として、撤去作業中の鋼材の切断作業(ディスクグラインダー、トーチ、エンジンカッターなどすべて高熱を発します)があるのです。

「ジョーンズ博士が入手した溶けた鉄の断片には、瓦礫の撤去作業中に行われた溶断作業で生じたと思われるものもあります。」とのことですが、何を根拠にそう書かれるのでしょうか。

「それらの試料がまさにWTC現場のものであるという説明が具体的になされたこともありません。」。スティーブン・ジョーンズ博士の用いた試料に疑いがあるということなら、NISTの用いた試料の出所については、なぜ疑わないのでしょうか。

スティーブン・ジョーンズ博士は、「WTC崩落で生じた瓦礫や粉塵を電子顕微鏡などで微細に分析した。すると、溶解して微小な球体になった無数の金属が含まれていた。また、その金属球の成分を調べると、70%以上が鉄であることも分かった。さらに分析の結果、瓦礫や粉塵に「ある特殊な化学反応」の痕跡であるアルミニウムと硫黄が含まれることが認められた。」と言っているようです(07-09-21フライデーp7)。ディスクグラインダー、トーチ、エンジンカッターを使ってもアルミニウムと硫黄は出ないと思いますし、爆薬を使ったときとは温度が違いますから、事件のときと同様の微小な鉄の球体が出るか疑問であり、検証が必要だと思います。

●机上の空論はどちらか

次に、"超高層ビルに使われていた膨大な量の鉄とコンクリートの強度が1〜2時間の火災でほぼゼロになるメカニズムが解明されていない 。"倒壊がはじまるのに、WTCタワーすべての部材の強度が低下する必要はありません。WTC2 で良く分かりますが、衝突階より上部は、しばらくは元の形のまま落下していきました。少なくともこの部分では全体の強度が落ちた可能性はありません。"9.11に関するWikipediaは非科学的" の著者は、表面上の言葉の組み合わせだけで考えていて、実際の現象を思い浮かべていないようです。

「WTC2 で良く分かりますが、衝突階より上部は、しばらくは元の形のまま落下していきました。」。彼も思わず「しばらくは」と書いてしまいました。衝突階より上部が下層階を押しつぶしたのなら、衝突階より上部は地上に着くまで「元の形のまま」でないといけないのではないでしょうか。衝突階より上部が粉砕されてしまうと、下層階を押しつぶす物がなくなってしまいます。

「WTC2 で良く分かりますが」ということは、反面で、WTC1では、衝突階より上部が見当たらないということを彼が認めているということでしょうか。少なくともWTC1では、衝突階より上部が下層階を押しつぶしていったようには見えないということですよね。彼の説は破たんしていませんか。

●また「NISTによれば」ですか

倒壊の始まりのメカニズムが説明されれば、初期の多くの専門家達の予備的な推測通り、落差が4mほどとはいっても15階から30階ほどのビルが落下してきたのですから、あのような凄まじい進行性の倒壊が起きたのは想像にかたくありません。NISTによれば、倒壊のきっかけは、熱によって床のトラスの強度が落ち、コアと外壁の間に床構造が垂れ下がった。そしてそれが、外壁の柱を引き込んで傾けたことで、衝突で数が少なくなった外壁の柱の内で通常より荷重が増した柱が、接合部分でバックリングを起したことです。強度が落ちたのはそれほど広範囲にわたるものではありません。

「15階から30階ほどのビル」は、途中から消えたのではないのですか。

「(鉄骨の)強度が落ちたのはそれほど広範囲にわたるものではありません。」。であるならば、下層階の鉄骨は荷重を受け止めようとしますから、自由落下速度による崩壊にはならないと思います。

また「NISTによれば」ですか。上記のようにNISTは、自らの説明が不十分であることを認めているようですから権威付けには使えません。

●ビデオはある

"では、なぜ鉄とコンクリートが強度を失ったのか。爆薬が仕掛けられていたからだという説が出る所以です。ブッシュ大統領自身が「ビルには爆弾が仕掛けられていた」と言ったとWikipediaに書かれていたのですが、今はその記述は消えています。"

ブッシュがなぜそんなことを言う必用があるのでしょうか。ウィキペディアが記述を削除した理由はなんでしょうか。ブッシュ大統領が圧力をかけて削除させた(または投稿者が遠慮して削除した)。書き込みをした投稿者が、間違いに気付いて削除した。つまり、ブッシュはそのようなことは言っていなかった。どちらの可能性が高いか。

Wikipediaの更新履歴を調べれば、私の勘違いか分かるはずですが、面倒ですからやりません。

9.11に関するWikipediaは非科学的のページの「今はその記述は消えています。」の次に次の段落を追記しました。

動画サイトYouTubeの9/11 Coincidences (Part Twelve)というビデオには、ブッシュ大統領が「ビルには爆弾が仕掛けられていた」と言った証拠が収められているようです。(この段落2007-7-21に追加)

上記ビデオの2分18秒以下をご覧ください。このビデオのブッシュ大統領の発言がWikipediaの投稿の根拠だったのだと思います。軍人も「爆発」と口を滑らせ、ラムズフェルドもペンシルベニアの飛行機を「撃ち落とした」と口を滑らせている映像が見られます。「ブッシュはそのようなことは言っていなかった。」と言えるのでしょうか。ちなみに、別のビデオ 9/11 Mysteries - Who Knewを見ると、ニューヨークのジュリアーノ市長は、ABCからのインタビューで「世界貿易センタービルが崩壊すると言われている」と言っていました。だれに言われていたのか気になります。

人は、「言う必用(ママ)が」ないことを言ってしまうことがあるものです。潜在意識に強く焼き付いていることは特に。

●自分のことは棚に上げるな

"なお、自由法曹団の中にも9.11をアルカイダの犯行とする"常識"を疑問視する見方があります(自由法曹団通信の2007年1月11日号の「同時多発テロ真相解明の文献紹介」参照)。"

私の「非科学的な記述」と自由法曹団のある弁護士の発言が関係あるのでしょうか。だいたいこの段落は位置が違うんじゃありませんか。"ウィキペディアは「9.11」をテロ事件と断定" のところに加えるべきだったのではありませんか。なにをやっているのでしょうか。

弁護士は、msq氏の尊敬する「専門家」です。理論を組み立てて飯を食っている人種です。論理的に考える人なら9.11についての数々の疑惑を払拭できないということです。

記述が体系的でないという話は、揚げ足取りであり、問題の本質と関係ないことです。じゃあ、msq氏のサイトが体系的で分かりやすいかというと、そうとも言えないと思います。

msq氏作の組織のウェブサイトの私物化の末尾には、ピースデポの副代表の講演会に関連する団体への批判が書かれています。msq氏の非科学的な記述と弁護士の書いたことが関係ないと言うなら、ダム反対鹿沼市民協議会への批判とピースデポ関係団体への批判も関係ないということになってしまいます。

●非論理

共産党は、しかし、グローバリズムに代表される、アメリカの世界戦略を批判しています。そして、オサマ=ビン=ラディン氏も、イスラム諸国、特にサウジアラビアに米軍が居座ることに非常に憤っているといわれます。もちろん、共産党とラディン氏では考え方は大いに異なりますが、批判の対象はアメリカの進めるグローバリズムです。つまり、共産党が、アルカイダ関連の組織の犯行と認める可能性はあっても、犯行ではないとする根拠はありません。

msq氏の論理は理解できません。彼は、上記の文章で次のように言っていることになります。

  1. 日本共産党はアメリカの世界戦略に反対している。
  2. アルカイダもアメリカの世界戦略に反対している。
  3. ゆえに、日本共産党が、9.11はアルカイダ関連の組織の犯行と認める可能性はあっても、犯行ではないとする根拠はない。

これは、論理的に正しくないと思います。だれかが「アメリカの世界戦略に反対すること」と「9.11はアルカイダ関連の組織の犯行と認める」ことに論理的関連性はありません。

しかも、msq氏は、"「9.11に関するWikipediaは非科学的」か?"の最後の方の「(7)9.11に関する日本共産党の見方」では、「共産党はアメリカによる報復に反対したのでしょう。ということは、アルカイダの関連した犯行ではないという気持ちがあるからともいえるのですよ。アメリカが自分でやっておいて人に罪をなすりつけていると考えているとも予想できるのですよ。」と書いています。一体何が言いたいのでしょうか。

「共産党が、アルカイダ関連の組織の犯行と認める可能性はあっても、犯行ではないとする根拠はありません。」と書いておきながら、最後の方では、「(共産党は)アルカイダの関連した犯行ではないという気持ちがあるからともいえるのですよ。」と書きます。支離滅裂です。

●現実として「テロ」には複数の定義がある

"9.11に関するWikipediaは非科学的" の著者は共産党に質問したそうです。 "質問があります。  例えば、しんぶん赤旗の次の記事 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-12-28/2006122806_02_0.html で、「同時多発テロ」という言葉が使われています。  テロの定義にもよりますが、アラブ人によるテロだという 意味で使っているとしたら、その証拠はありませんから、 テロという言葉は使うべきではないと思います。  アメリカ政府がテロと言ってるだけではありませんか。  BBCは「テロ」でなく「攻撃」という表現に統一したそうです。  新聞は事実を報道すべきです。  「テロ」は事実ですか。「テロ」を使う根拠は何でしょうか。"

質問が支離滅裂です。犯人が誰であろうと犯罪行為の名前は、犯行内容が同じなら「テロ」でかまわないはずです。問題点は、犯人が誰かという点だけであって、それを、「テロ」という言葉と「攻撃」という言葉の違いと解釈しようとしているように思えます。なお、アメリカ政府も、普通は、the September 11 attacks (9月11日の攻撃。USINFO.STASTE.GOV/ The Top September 11 Conspiracy Theories) などと呼んでいるのですが。

「犯人が誰であろうと犯罪行為の名前は、犯行内容が同じなら「テロ」でかまわないはずです。」は、決めつけです。彼がそう考えるのは自由ですが、「テロ」の定義は複数あるという現実を否定することはできません。「テロ」をどう定義すべきが問題であることは、Wikipediaの「テロリズム」によく書かれていますので、9.11の専門家である彼には勉強してほしいと思います。

Wikipediaの「テロリズム」では、その定義を「歴史的には国家・行政組織側による暴力的抑圧(恐怖政治、粛清等)を含み、体制・反体制を問わず暴力と恐怖を活用することで大衆世論を支配する手段を意味した。」と解説していますが、彼の大好きなアメリカの国務省がテロを「国家でない団体、もしくは地下活動員による計画的で政治的な動機を持つ非戦闘員を目的とした暴力。」(レルネット主幹 三宅善信「テロとは何か」のページから)と定義しているようです。"ヒロシマ""ナガサキ"は、「計画的で政治的な動機を持つ非戦闘員を目的とした暴力」であっても、国家がやったことだから「テロ」ではないというわけです。テロの主体から国家を除外する定義に文句があるなら、アメリカ政府に言ってください。なぜ国家を除外するのかの真意もアメリカ政府に聞いてください。

「問題点は、犯人が誰かという点だけであって、それを、「テロ」という言葉と「攻撃」という言葉の違いと解釈しようとしているように思えます。」。この文章は、主語が省略されており、意味が分かりません。「書いているご自身は分かっていても、読む人にはわからない」文章です。

9.11の呼称については、「フライデー」が9.11疑惑を報道に書いたように、9.11調査委員会の正式名称は"National Commission on Terrorist Attacks Upon the United States"ではないでしょうか。アメリカ政府は、"Terrorist Attacks"と呼んでいることも事実だと思います。「テロリスト」を使うことによって、最初から国家権力の関与を否定する効果をねらっているという見方も可能だと思います。

Wikipediaにも「アメリカ同時多発テロ事件(アメリカどうじたはつテロじけん、September 11, 2001 Terrorist Attacks)は、2001年9月11日にアメリカ合衆国で発生したテロ事件である。」とか「イギリスやアメリカなどの英語メディアでは、この事件を「9/11」(ナイン・(オー)・イレブン)、「9月11日の事件」 (Events of September 11)、 「September Eleven Terror Attacks」などと呼 ぶ。」と書いてあります。"Terrorist Attacks "とか"Terror Attacks"が使われています。

アメリカにおいて「テロの主体からなぜ国家を除外するのか」は、重要な点だと思います。国家による暴力は戦争とみなすのに対し、国家以外の者による暴力は犯罪であり、刑事司法で対応するという区別をするためであったとすれば、それなりに意味のある定義だと思います。ところが、アメリカは1990年代から"War on Terror"と言い出したのです。つまり、国家による暴力も、国家でない団体による暴力も戦争で退治するというわけです。アメリカはテロを狭義に定義した意味を自ら失わせる矛盾を犯していると思います。

なぜアメリカは、"War on Terror"と言い出したのか。東京大学教授の小森陽一氏によれば、冷戦構造が終焉し、アメリカは戦争をやるネタを失っていて、戦争の理由を探していたからだそうです。"テロとの戦い"と言えば、これからずっと戦争を続けられるというわけです。

●赤旗は「テロ」を広義に用いている

それでも、赤旗編集局外信部は答えています。

"(「テロ」とは)一般的には、無関係な一般市民を無差別に殺害することを根拠としています。 BBCは、(9.11について「テロ」という語を)使わないことを承知していますが、具体的事件をテロと規定することは可能と思います。"

返答のメールには、"具体的事件をテロと規定することは可能と思います。"と書かれています。そして、上記記事"米兵死者 9・11犠牲者超える"(2006年12月28日(木)「しんぶん赤旗」) では、「テロ」という言葉を使っています。で、この経緯からなぜ、"要するに、しんぶん赤旗は、9.11がアルカイダの犯行とは決めつけていないわけです。" といえるのでしょうか。まして、"「テロ」とは、「一般的には、無関係な一般市民を無差別に殺害すること」と定義できるからであると言います。「ブッシュ政権によるテロ」という言い方も可能だ、というわけです。 "という論理は常人の思考とはかなり隔たったものといわざるを得ません。

答をちゃんと引用しているのですから、質問する必要はないでしょう。

msq氏は、私の書いたことは「常人の思考とはかなり隔たったもの」と書きますが、「論理的には正しいが」という前提でしょうか。msq氏とそのお友達の思考が「常人の思考」の基準だとすれば、私の書いたことが「常人の思考」とかなり隔たったものか議論しても意味がないと思います。

●"False Flag"の歴史に学べ

さて、小難しいテロの定義はともかく、赤旗は犯人についてどう見ているか。

またイラク戦争前、米情報機関が、フセイン政権が同時テロ事件などアルカイダの活動について、事前に情報をつかんではいなかったと分析していたことを指摘しています。("フセイン政権 「アルカイダと無関係」 米上院報告書 開戦の「根拠」否定" (2006年9月10日(日)「しんぶん赤旗」))

"クラーク元補佐官証言 米政権を公に批判 "テロ対策せず イラク攻撃推進""(2004年3月26日(金)「しんぶん赤旗」) と " クラーク証言 米政権に衝撃 ブッシュはテロへの対抗を イラク戦争の足がかりに " (2004年3月26日(金)「しんぶん赤旗」) では、テロ対策担当の元補佐官、リチャード=クラーク氏の独立調査委員会での証言を取り上げています。クラーク氏は以前からアルカイダの脅威をブッシュ大統領に訴えていました。

等々。アルカイダが関係していた点についての記述は、ほかのマスコミと大差はありません。事実として、ことさらに、"日本共産党はアルカイダの犯行とは決めつけていない" といえるほどのものではありませんし、そのことが何の意味を持つのか見当もつきません。なおテロの定義については、反政府であろうと、政府であろうと、どちらもが行う可能性があることは歴史を見れば分かることです。そして政府が行う可能性があったとしても、ブッシュ政権の自作自演を疑う大きな根拠にはなりえません。テロの定義の説明部分は論理的には全くの無駄、単なる印象操作に過ぎません。

msq氏は、「ことさらに、日本共産党はアルカイダの犯行とは決めつけていない といえるほどのものではありません」と書きます。日本共産党は、9.11をテロと呼ぶ、テロの主体は国家か非国家かを問わない、と言っているのですから、日本共産党は、9.11の犯人が国家である可能性を頭から否定していないことになります。「日本共産党はアルカイダの犯行とは決めつけていない といえる」のです。

msq氏は、「そのことが何の意味を持つのか見当もつきません。」と書きます。日本共産党は、9.11はテロであり、犯罪なのだから、戦争で報復するのではなく、犯人の刑事責任を追及すべきであると言います。これは、国家が仕掛けたテロならば、戦争で対応するという国があっても一応の理解は可能であるということを暗に意味していると思います。そうであれば、日本共産党は、テロの定義については、アメリカの国務省同様、テロの主体から国家を除外する狭義説を採るのがすっきりするのです。

ところが、9.11がアルカイダの犯行だという証拠はないだろうと言われると、「(「テロ」とは)一般的には、無関係な一般市民を無差別に殺害すること」であるとして、9.11の犯人がだれであれ、これをテロと呼ぶことはおかしくないと答えています。 BBCは、(9.11について「テロ」という語を)使わないことを承知しているが、敢えてBBCの用語法には従わず、テロを広義に用いると答えています。日本共産党は、「テロ」を外国の用法に従わず、敢えて広義に用いることによって、自作自演説を明確に否定することもなく、かといって、テレビが取り上げるほどの疑惑がありながら、沈黙を守っています。

要するに9.11について日本共産党の言動はちぐはぐなのです。メールでの質問の収穫は、日本共産党がちぐはぐな説明をしていることを明らかにできたことです。日本共産党がちぐはぐなことをする理由が分からない限り、それ以上の説明は私にもできません。日本共産党に聞いてください。

リチャード・コシミズ氏のサイト「統一教会とユダヤ人と北朝鮮」のページに、「日本共産党は、911でもオウム事件でも、結局、真相に迫ろうとはしませんでした。権力側の装置に過ぎないのです。」と書かれています。日本共産党が「権力側の装置に過ぎない」とは思ってもみませんでしたが、同党が9.11に関しては、その調査能力をなぜか全く使っていないことは確かです。私への返信メールの記述は、「9.11の真犯人の問題については触れたくない」という気持ちが見て取れます。(この段落08-01-07追記)

msq氏は、「なおテロの定義については、反政府であろうと、政府であろうと、どちらもが行う可能性があることは歴史を見れば分かることです。そして政府が行う可能性があったとしても、ブッシュ政権の自作自演を疑う大きな根拠にはなりえません。」と書きます。

彼は「歴史を見れば分かる」と書きながら、歴史に学ぼうとしません。「歴史を見れば分かる」と書きながら、「ブッシュ政権の自作自演を疑う大きな根拠にはなりえません。」と結論付けるからには、それ相当の理由が必要だと思います。ところが彼は理由を言わないのです。結論があるだけなのです。だから彼の言説は科学ではなく宗教であると私は思うわけです。

アメリカの歴史は、"False Flag"の歴史です。動画TerrorStorm Deluxe High Quality (Alex Jones)(YouTubeの場合Terror Storm 2nd Edition Pt 1/12)もアメリカに限らず、多くの国家が"False Flag"をやってきたことを論証しています。"False Flag"とは、一言で言えばヤラセ作戦です。Wikipediaは、"False flag operations are covert operations conducted by governments, corporations, or other organizations, which are designed to appear as if they are being carried out by other entities. "と定義しています。「ブッシュ政権の自作自演を疑う大きな根拠にはなりえません。」と一言で片付けられるほど、アメリカの歴史は軽くありません。

敢えて繰り返しますが、彼は、「アルカイダはこれまで数々のテロをやった。だから9.11もアルカイダがやっただろう」という推測は平気でするのに、「アメリカは建国時のボストン茶会事件からヤラセ国家だったのだから、今度の大事件も政府によるでっち上げかもしれない」という推測は間違っていると言うわけです。ご都合主義ではないでしょうか。

●テロを定義しないで政府が動くことの不可解

政府とは、原爆や薬害や地震による被害者が救済を求めても、そう簡単には動かないものです。「事実関係をよく調べてから」とか「○○被害者の定義や範囲を明確にしてから」と言うのが政治家や役人の常です。税金を使う以上、ある意味当然です。Wikipediaの「テロリズム」においても、「テロの定義を欠いたままでは、行政組織による有効的なテロ対策は行われ難く、国際法的にも各国の国内法的にも、まず「テロとは何か」を明確に規定することが不可欠となっているのである。」と書かれています。

ところが9.11に関しては、日本政府は、テロやテロリストの定義もせず、アメリカ政府が事件を調査する前の、事件のわずか4日後に対米協力を約束したのですから、ほかの問題との対応が違いすぎ、不可解です。

●テロを定義しないとどういうことになるのか

07-11-23赤旗記事党首会談での志位委員長の発言(要旨)によると、前日の党首会談で福田康夫首相は、新テロ法案に関して、アフガニスタンの和平のための努力と同時並行でタリバンの掃討をやる必要があると言いました。

志位和夫委員長が 「タリバン全体を掃討の対象と首相は考えているのか。」と聞くと、  首相は、「 タリバンについては(自分も)よく分からない。」と答えました。さらに  志位委員長が「 分からないのに掃討の対象か。」と聞くと、  首相は、「 タリバンのなかには、いいタリバンもあるし、危険なタリバンもいる。いろいろあるんでしょう。」と言う始末。  

日本政府は、アメリカの「テロとの戦い」を支持すると言いながら、首相がタリバンすべてをテロリストとみなすような発言をし、突き詰めて聞かれるとどこまでがテロリストなのか分からなくなるのは、テロリストの定義を政府が決めておかないからではないでしょうか。  

もっとも、07-11-13赤旗記事「「テロリスト」あいまい」によると、日本共産党の赤嶺政賢議員が十二日の衆院テロ特別委員会で、「「テロリスト」とは、だれを指すのか」と質問すると、高村正彦外相は「(国際テロ組織)アルカイダと、それを支援するタリバンだ」と答弁したそうですから、政府はテロリストの定義を一応は決めているとも言えそうですが、「アルカイダを支援するタリバン」と「アルカイダを支援しないタリバン」を、米軍が空爆するときに、どうやって区別するのでしょうか。  

心情的に「アルカイダを支援するタリバン」も掃討してしまうのでしょうか。「支援する」も更に定義する必要があると思います。  

テロリストの定義があいまいなまま、アメリカの対テロ戦争を支援するために税金を使うことは許されないと思います。テロリストの範囲が明らかでないなら、費用対効果の計算もできないからです。これまでのインド洋上での海上阻止活動(OEFーMIO)で大麻所持者らを何人かを捕まえた、それが成果だと政府は言いますが、その人たちがテロリストなのかどうかについて国民は知らされていないように思います。(OEF-MIOの成果については、「ののちゃんち」のインド洋・海上自衛隊によるOEFにおける具体的な例を参照してください。)  

●制御解体は下部から先に爆破するとだれが決めた

爆薬を使う制御解体は、建物の自重を利用して破壊するものです、したがって、建物の下のほうを重点的に爆破します。後、上部は落下することで破壊されるのです。したがって、重力の方向に向かって崩れるのは当然で、高層ビルなら、垂直に崩れるように見えるわけです。立花氏はその垂直に崩れた現象に注意を引かれたということです。しかし、崩れる様子は、衝突階より上部が落下しながら押しつぶすものでした。それが長氏の批判であって、解体の専門業者はじめ、建築の専門家もタワーの倒壊は制御解体の見かけとは異なると同じ理由で説明しています。つまり、「爆薬によるビル解体は、必ず下部から先に爆破するものであり、上部から爆破するという解体の方法はあり得ない。」 から、解体業者や専門家はそう言っているわけです。長氏のサイトでは、この前提が証明されていません が、解体業者のデモビデオを見れば一目瞭然じゃありませんか。

msq氏は、「解体業者のデモビデオを見れば(制御解体でないことは)一目瞭然じゃありませんか。」と書きます。しかし、彼は、9.11を企てた者が解体業者でないことを見落としています。解体業者が請け負った可能性はあるとしても、首謀者ではないでしょう。解体業者と9.11の犯人では、目的が違います。9.11の犯人は、自分たちの目的を達成するために最も良いと考えられる方法でビルを爆破したと考えることもできると思います。9.11の犯人は、解体業者と全く同じ方法で爆破するとは限らないと考えるのが合理的ではないでしょうか。

解体業者は、経費を抑えるために必要最小限の爆薬で爆破するでしょうが、もしも犯人が国家権力なら「最小限」なんて考えないでしょう。例えば大量虐殺や証拠隠滅という目的を達成するためには、金に糸目を付けず爆薬を仕掛けると考えるのが合理的です。

「爆薬によるビル解体は、必ず下部から先に爆破するものであり、上部から爆破するという解体の方法はあり得ない。」 などとだれがどうやって決めたのでしょうか。「あり得ない」根拠を示してください。

●WTC7は下から崩壊した

msq氏は、「解体業者のデモビデオを見れば(制御解体でないことは)一目瞭然じゃありませんか。」と書きます。「爆薬を使う制御解体は、建物の自重を利用して破壊するものです、したがって、建物の下のほうを重点的に爆破します。」とも書きます。

WTC7は下から崩壊しました。「解体業者のデモビデオ」の映像とそっくりの崩壊の仕方をしています。msq氏が引用している「NY/WTCビルの被害拡大過程 被災者対応等に関する日米共同研究成果報告書」の「1-4 火災による建築物への被害」において、WTC7 (通称ソロモンブラザースビル)について「WTC1崩壊時の瓦礫による損傷し、複数の階 で火災が発生。約7時間後、下層部から崩壊。」と書いてあります。 そうである以上、少なくともWTC7については、制御解体は下から爆破するに決まっているという彼の説に従ったとしても、制御解体と言わざるを得ないのではないでしょうか。

W T C 7崩壊のビデオは、W T C というサイトの7Videos Show Building 7's Vertical Collapse又はWTC第7ビルを巡る疑惑をご覧ください。そして、制御解体かWTC1から飛んできた瓦礫の影響で崩壊したのか判断してください。

●空気圧では説明できない

"ちなみに、飛行機が突入しておらず、したがってジェット燃料が燃えていなかった7号棟がツインタワー同様、ほぼ自由落下速度で崩壊したこと、Loose Changeなどのサイトのビデオでビルが崩壊に先駆けて爆発する様子が見えることを長氏はどう説明するのでしょうか。"

WTC7の倒壊を記録したビデオで観察できる爆発はすべて崩壊が始まった以後のもので、床の落下によって室内の一部の気圧が瞬間的に高くなってガラスを吹き飛ばしたという無理のない説明が出来ます。長氏が答える必要はないでしょう。"loose change" の作者や、"9.11に関するWikipediaは非科学的" の思い込みに過ぎないのですから。

msq氏は、「WTC7の倒壊を記録したビデオで観察できる爆発はすべて崩壊が始まった以後のもの」と書きます。WTC1とWTC2では、崩壊の前に爆発があったことを認めてしまいましたね。

「床の落下によって室内の一部の気圧が瞬間的に高くなってガラスを吹き飛ばした」という説明は「無理のない説明」ではないと思います。

崩壊している階の数十階も下の階でフライングのように爆発(英語で"squib"と呼ぶようです。)しているのは、空気圧では説明がつかないと思います。空気圧のせいだと言うなら、上から圧された空気はビルのどこを通ってガラスを破ったのでしょうか。ガラスを破るほどの気圧の大きさとはどれくらいでしょうか。ガラスの強さはどれくらいでしょうか。ガラスを破るほど空気が圧縮されるには、空気の密閉が保たれる必要がありますが、(msq氏の説によれば)上の階の重さでグシャグシャと押しつぶされている階の密閉が保たれているとは思えません。そのようなことが科学的に解明されなければ、「無理のない説明」とは言えないと思います。

要するに、「床の落下によって室内の一部の気圧が瞬間的に高くなってガラスを吹き飛ばした」という程度の雑駁な説明に納得してしまう人は、世の中にあまり多くないと思います。

●曲解のお手本

"2007-02-28「しんぶん赤旗」の「知りたい聞きたい」の欄に「01年9月の同時多発テロ事件に対しては、国連憲章にもとづく国連を中心にした措置によって容疑者を拘束し"法にもとづく裁き"を受けさせるよう主張して、アメリカによる報復戦争に反対しました」と書かれています。"

"この記述からは、日本共産党が9.11の犯人をアメリカなどの国家であるとは全く想定していないように見えます。アメリカ追従の自民党政府を批判している割には、アメリカの描いた筋書きに乗ってしまうのはなぜなのでしょう。"

共産党はアメリカによる報復に反対したのでしょう。ということは、アルカイダの関連した犯行ではないという気持ちがあるからともいえるのですよ。アメリカが自分でやっておいて人に罪をなすりつけていると考えているとも予想できるのですよ。"この記述からは" そう想像することも可能なのです。ところが、"日本共産党が9.11の犯人をアメリカなどの国家であるとは全く想定していないように見えます。"。さらに、"アメリカ追従の自民党政府を批判している割には、アメリカの描いた筋書きに乗ってしまうのはなぜなのでしょう。" とはね。共産党が、アメリカによる報復戦争に反対したのが、アメリカの描いた筋書きなのでしょうか?

確かに、共産党がアルカイダ犯行説を否定していないことをもって、アメリカの描いた筋書きに乗ったということがいいたい気持ちは分からないではありません。しかし、"9.11に関するWikipediaは非科学的" の著者の言い分をそこまで鷹揚な気持ちで受け入れるは少ないでしょう。

msq氏は、「共産党はアメリカによる報復に反対したのでしょう。ということは、アルカイダの関連した犯行ではないという気持ちがあるからともいえるのですよ。アメリカが自分でやっておいて人に罪をなすりつけていると考えているとも予想できるのですよ。」と書きます。彼は、「(5)日本共産党はアルカイダの犯行とは決めつけていない」の節で「共産党が、アルカイダ関連の組織の犯行と認める可能性はあっても、犯行ではないとする根拠はありません。」と書いており、支離滅裂であることは、既に指摘したとおりです。

しかも、「アメリカによる報復戦争に反対すること」と「9.11がアルカイダの犯行であると考えるかどうか」は論理必然的に結びつく問題ではなく、むしろ、アルカイダ犯行説を前提としていると受け取る方が自然ですから、二重の意味でおかしいと思います。もしも日本共産党が「アメリカが自分でやっておいて人に罪をなすりつけていると考えている」としたら、同党は、「国連憲章にもとづく国連を中心にした措置によって容疑者を拘束し"法にもとづく裁き"を受けさせる」べきだとは主張しないでしょう。それに日本共産党は、「報復戦争をやめよ」と主張する理由として「9.11はアルカイダによる犯行ではないかもしれないから」ということを挙げたことは一度もありません。

msq氏は、「共産党が、アメリカによる報復戦争に反対したのが、アメリカの描いた筋書きなのでしょうか?」と書いています。つまり、ここでは、「アメリカの描いた筋書き」を「共産党が、アメリカによる報復戦争に反対した」ことと解釈しています。ところが最後の段落では、「共産党がアルカイダ犯行説を否定していないことをもって、アメリカの描いた筋書きに乗ったということがいいたい気持ちは分からないではありません。」と書いており、「アメリカの描いた筋書き」をアルカイダ犯行説と素直に解釈しています。「曲解」(物事や他人の言動を素直に受けとらず、わざとちがった解釈をすること。(大辞林))のお手本です。

●補助金をもらっていない

全体を詳細に見ると、休日を潰して批判するほどの相手だろうかという気持ちになってきました。ダム反対とか環境運動はたいてい団体でやっているものでしょう。お仲間内で、きちんとした意見の交換や、相互批判をすべきです。そうしなくては団体の意見として公表するページとしては問題があるように思います。この、"9.11に関するWikipediaは非科学的" はその例です。団体の意見とは関係ない個人(ハンドルネームでも良いのですから)の見解だということが明確ではありません。無記名ですから、団体としての見解ととるしかありません。

「全体を詳細に見ると、休日を潰して批判するほどの相手だろうかという気持ちになってきました。」。だったら、メールも電話も手紙もやめてください。

団体の在り方は多様です。当協議会は、国や自治体からも、msq氏からも補助金をもらっているわけではありませんので、運営の在り方を指導される筋合いはありません。

これまで文責を表記していなかったので、踏み込んだ意見は書きませんでした。今後は表記しますが、今後も9.11が自作自演だと、ベンジャミン・フルフォード氏のようには、断定するつもりはありません。日米政府は疑惑に答えろ、説明責任を果たせということです。

●「非科学的態度」は読者が判断する

結局、全体を通してみても冒頭で述べたように、ダム反対と9.11事件の真相の関係についての説明はありません。唯一、共通する点は「科学的、非科学的」という言葉がキーワードになっていることだけでしょう。ゆえに "9.11に関するWikipediaは非科学的" というタイトルをつけたのかも知れません。しかし、科学的か否かを論ずる以前に、"9.11に関するWikipediaは非科学的" の著者の論理の拙劣と、論理の根拠に対するあいまいな態度の方が目立っています。むしろ、著者ご自分自身の「非科学的態度」をデモンストレーションしているように思えます。

当サイトの「その他の話題」の各記事でいちいちダム問題との関連性を説明する必要はないでしょう。

日本は、9.11をきっかけとした戦争に参加しています。多くのダムもすべての戦争も無駄な"公共"事業です。戦争では税金が浪費されるだけでなく罪のない人々の命まで奪われています。市民が真相を明らかにしようとするのは当然のことです。言わずと知れたことでしょう。ダムに反対する多くの人たちが自衛隊海外派兵反対訴訟にかかわっています。

msq氏は、当サイトの記事を論破したつもりのようですが、「論理の拙劣と、論理の根拠に対するあいまいな態度」は、読者が判断するものです。

私は、msq氏から科学的な反論があったとは感じなかったのですが、読者の皆様はいかがでしょうか。削除要請には簡単に応じられませんが、ご意見やご批判は歓迎いたします。

(文責:事務局)
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