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表流水が犯罪を生む

2005-4-7

2005年4月6日付けの毎日新聞長野県版は、 「本山浄水場の汚泥排出:水道技師に罰金50万円ーー松本簡裁」という見出しで、次のような記事を載せています。 

04年8月に塩尻市の県松塩水道用水管理事務所本山浄水場で、汚泥を故意に奈良井川へ排出していたことが発覚した問題で、松本簡裁は5日までに、水質汚濁防止法(排出基準)違反で略式起訴されていた同事務所の水道技師(46)=当時=に対し、罰金50万円の略式命令を出した。同法の両罰規定で書類送検された県については再発防止処分の実施などを理由に、3月30日に起訴猶予処分となっている。

起訴状によると、水道技師は04年8月18日午前3時半ごろ、水道水の浄化処理で発生した汚泥を奈良井川へつながる配水管に流し、同法の排出基準の約14倍の浮遊物質(1リットルにつき約1・2グラム)を含む排水を、川へ流した。【神崎修一】

どうしてこんな事件が起きたのでしょうか。川の水を水道水源としているからです。 (事件の詳細は、長野県の作成した報告書(PDFファイル252KB)でご覧になれます。)

長野県楢川村に奈良井ダムというダムがあり、奈良井川の水を片平取水場という所で日量86,400m3も取水して浄化し、松本市と塩尻市に水道水を供給していたのが、長野県企業局松塩水道用水管理事務所本山浄水場です。

なぜ浄水の過程で汚泥が発生するかというと、川の水に薬品を入れ、濁りの素である土粒子を泥のかたまりにするためです。水源が地下水なら、浄水場に薬品混和池、薬品沈殿池、ろ過池を設置する必要もなく、汚泥も発生しませんから、こうした事件も起きません。

しかし、鹿沼市は思川開発事業に参画し、水道水源を地下水から表流水へと転換しようとしているのですから、水道部の職員や市自身が犯罪者になる可能性を生み出したわけです。

高くてまずいダム水を飲まされる市民にとってはもちろんのこと、汚泥の処理に悩まされるであろう水道部の職員にとっても、水道水源の地下水から表流水への転換という政策は迷惑以外の何物でもありません。

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