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南摩ダム水源地域整備計画は市民の利益になるか

2005-5-29

●南摩ダム水源地域整備計画決定

ダム反対鹿沼市民協議会は、2005年3月、南摩ダム水源地域整備計画の一覧表(PDFファイル164KB)を会員の情報公開請求により入手しました。

●新聞報道の概要

このことについて3月18日の毎日新聞は、次のように報じました。

「南摩ダム:水源地域整備計画を決定 ー国 /栃木
 国は17日、鹿沼市上南摩町に計画している南摩ダムの水源地域整備計画を決定した。県と同市はダムが完成する2010年度までに、一部が水没する上南摩町や西沢町の土地改良、治水、公民館整備など22事業(総額約143億円)を実施する。」  「計画によると、区画整理や用水路整備などの土地改良、地場農作物を販売・提供し交流拠点となる「ハーベストセンター」や公民館の整備などを進める。約143億の費用は、国と県、市、ダム下流自治体などが負担する。【仙石恭】」  

同じく3月18日の下野新聞は、1面トップで「国交省 南摩ダム周辺22事業決定」の見出しで次のように報道しました。    

「経費が最も多いのは道路整備の49億円で、水没する県道の付け替えや水没地域住民の集団移転地周辺の市道整備などに充てる。このほか地場農産物の加工・販売や農業・林業体験ができるハーベストセンター施設整備に21億円、観光客誘致策としてダム湖岸への展望広場整備などに15億円を計上。」  

「水没地周辺については水資源機構が直接行う事業もあり、現在、市と県、同機構で約25事業(約200億円)について最終協議中という。」

 ●土地改良事業は時代錯誤では?  

南摩地区土地改良事業に9.5億円もかける計画ですが、受益者負担が約1.2億円あります。これからコメを作る人も減る、食べる人も減る。そんな時代に負担金を払ってまで農地を整備しようとする人がいるのでしょうか。

 ●砂防ダムは必要か  

砂防ダム4基に8.4億円をかける計画ですが、砂防ダムの費用対効果が検証されたことなどあるのでしょうか。今までなくて済んでいたのですから、これからもなくても済むのではないでしょうか。

 ●水源がないはずでは?  

上南摩簡易水道整備事業に約5億円かける計画ですが、鹿沼市水道当局は、これまで水源がないから給水区域を拡張できない、だから、ダム事業に参加してダム水を買う必要があると言ってきたはずです。ダムが完成していないのに、西部簡易水道、上南摩簡易水道と次々に簡易水道を建設して給水区域を拡大するのは、「水源がない」というこれまでの説明と矛盾しませんか。

 ●ハーベストセンターはほぼ自腹で建設  

ハーベストセンター整備事業に21億円をかける計画ですが、鹿沼市の負担額は約19億円です。9割自己負担です。本当にそれだけのカネをかける必要のある施設かどうかをじっくり時間をかけて検討すべきではないでしょうか。

 ●公民館建設も消防施設整備事業も全額自己負担  

上南摩町と西沢町の公民館建設は、全額自己負担です。消防施設整備事業も全額自己負担です。どうしてこれらが水源地域対策特別措置法に基づく事業なのか分かりません。

 ●「水と緑の南摩の里」とは何ですか?  

水と緑の南摩の里整備事業に15億円もかける計画ですが、その中身は展望広場と散策路と休憩施設のようです。そんなものに15億円もかけていいのでしょうか。費用対効果は計算したのでしょうか。

 ●3割は鹿沼市が負担する  

合計の欄を見ると、結局鹿沼市の持ち出しは約45億円にもなります。143億円の事業を勝ち取ったと市長は自慢するでしょうが、3割は自己負担です。こらから鹿沼市の財政状況が厳しくなっていくのに、市民はこのような多額の負担に耐えられるのでしょうか。

 ●維持管理経費がかかってくる  

施設を造れば、当然のことながら維持管理経費が毎年かかってきます。143億円の施設を造れば、年間10億円以上の管理経費がかかるのではないでしょうか。    

南摩ダム水源地域整備事業は、鹿沼市民の利益になるのでしょうか。鹿沼市民が喜ぶ事業でしょうか。大半の事業は、一部の建設業者が喜ぶだけの事業のように思えますが、いかがでしょうか。鹿沼市民には、ダム関連事業にもっと関心を持っていただきたいと思います。        

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