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飯塚毅氏は「不撓不屈」だったか

2006-7-20

●「飯塚事件」を描いた映画ができた

「飯塚事件」を描いた「不撓不屈(ふとうふくつ)」という題名の映画が今年制作されました。権力と闘った衝撃の実話と銘打って宣伝されています。「不撓不屈」とは、どんな困難に出合ってもひるまずくじけないことです。

TKC全国会のホームページには、「TKC全国会創設者 飯塚毅の半生記「不撓不屈」をご紹介します。」と書いてあるように、まさに飯塚氏の「半生記」のようです。

飯塚毅氏は、鹿沼市の名誉市民であり、鹿沼市に1億円の寄付をしました。2004月11月に亡くなっています。

確かに、脱税容疑を晴らすために7年に及ぶ裁判に勝ち抜いたことは賞賛に値します。

●後半生は「不撓不屈」だったか

しかし、氏の後半生を「不撓不屈」と表現できるかどうかについては、疑問が提出されています。

氏は、1971年に計算センターTKC全国会を結成し、「その会長に就任したころには、すでに、国税当局と「和解」し、自ら進んで税務行政に協力する姿勢に転じていました。自民党の進める「民商対策」としての小規模事業対策に、TKC全国会の会員をして半強制的に協力させ、 各選挙区ごとに自民党候補者の後援会を作らせ、その指示に従わない会員は除名するという徹底した新自民、反共路線を推進してきました。(中略)このことを証明するTKCの文書は、全国の税理士に配布された公式のものから、極秘文書まで多数存在します。」「不撓不屈という言葉本来の意味から私たちがイメージするのは、税理士であれば、一貫して徴税権力の違法不当なさまざまな圧力から納税者の権利を守るためにたたかい抜く姿です」(「しんぶん赤旗」2006年7月4日付け、関本秀治税理士執筆)が、後半生の実像が分からないままに映画は終わっている、という指摘もありますのでお知らせします。  

誤解しないでいただきたいのは、飯塚氏が新自民、反共だったからいけないということではありません。日本国憲法は政治的信条の自由を保障しているのですから、新自民、反共の思想を持つのは大いに結構です。

しかし、自分の政治的信条を、会長という地位(権力)を利用して政治結社でもない「TKC全国会」の会員に除名という制裁をもって押し付けてよいとは思えません。会員もまた政治的自由を持っており、支持政党があるからです。

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