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県営東大芦川ダム計画は、2003年9月に中止が決まりました。中止に伴う代替案が2005年5月25日号の「広報かぬま」(PDFファイル156KB)に掲載されました。
2005年1月29日に鹿沼市西大芦小学校で開催された「東大芦川ダム中止に伴う対応に係る説明会」で使われた資料(PDFファイル992KB)を見ると、代替案の詳しい内容が分かります。これを基に「東大芦川ダム建設事業の中止に伴う対応に係る合意書」を2005年3月に県と取り交わしたようです。
●鹿沼市上水道の取水地点は、大芦川の御幣岩橋上流
利水代替案については、「市が東大芦川ダムにより計画していた上水道の水源(毎秒0.2m3分)については、思川開発事業(南摩ダム)で県が確保している水道用水を振り替えることにより対応します。なお、大芦川の御幣岩橋上流から取水します。」(「広報かぬま」2005年5月25日号)と書かれています。どうです?でたらめでしょう。
●東大芦川ダムは必要なかった
栃木県と鹿沼市は、鹿沼市の水道用水を確保するためには東大芦川ダムが必要だと言い続けてきました。「ダムがなくても大芦川から水道用水を取水できる」という選択肢があることを一切示してきませんでした。
したがって、栃木県民や鹿沼市民は、東大芦川ダムを建設しなければ、大芦川から取水することはできないものだと思い込まされてきました。
ところが、栃木県と鹿沼市は、今になって、東大芦川ダムがなくても大芦川から取水できると言い出したのです。(水利権の「振り替え」という机上の空論的テクニックを使って。理屈とは便利なものです。)
だったら、もし本当に鹿沼市上水道の水源として毎秒0.2m3の河川水が必要なら、最初から、ダムを建設しないで大芦川から取水する計画を立てればよかったのです。
いずれにせよ、東大芦川ダムは、利水上必要がなかったことを県と市自らが証明したわけです。これほど県民や市民を愚弄した話があるでしょうか。
●南摩ダムが役に立たないことも証明された
県が南摩ダムで確保している水利権を鹿沼市が使うのなら、南摩ダムの下流から取水するのが筋です。なぜ鹿沼市は、南摩ダムの下流から取水しないのでしょうか。
おそらく、鹿沼市水道当局は、南摩ダムに水がたまらないこと、もしたまったとしてもアオコが張り、カビ臭くて飲料水に使えない水であること、無理して飲料水に使おうとすれば多額の浄化費用がかかることをよく知っているからではないでしょうか。
●砂防工事を実施するのはおかしい
東大芦川ダムは砂防ダムではなかったのですから、代替案に砂防工事が浮上するのはおかしいと思います。
●公園も道路も代替案となり得ない
東大芦川ダムの目的は、治水と利水だったのですから、中止の代替案として公園や道路の建設がいわゆる地域振興策として出てくるのは理屈に合いません。東大芦川ダムは、建設そのものが目的ではなかったのですから、地域振興策ではなかったはずです。したがって、中止になったからといって、地域振興策が出てくるということは、ダムの目的は建設そのものだった、治水や利水はどうでもよかったということになります。
●議員はダム事業を地域振興策ととらえている
2005年3月18日の鹿沼市議会本会議で赤坂日出男議員は、次のように述べています。
「また、東大芦川ダム中止によりまして、本市の水道水や大芦川流域の農業用水等につきましては、南摩ダムによって確保されることになったわけですが、南摩ダムは本市の経済や農業に貢献するばかりでなく、ダム事業によって地域整備が行われるなど、地域の活性化にもつながる事業と理解をしております。」
これを聞いたら、鹿沼市の水道用水は南摩ダムの下流から取水すると思ってしまいますが、そうではないことは広報に書いてあるとおりです。
鹿沼市執行部もダム事業の本質は地域振興であるという認識でしょう。だから、中止に伴う代替案に公園や道路の建設が出てくるのです。
赤坂議員は、「南摩ダムは本市の経済や農業に貢献する」とおっしゃいますが、「ダムで栄えた村はない」ということわざに反して、ダム事業で成功した例を挙げていただけないでしょうか。栗山村にはダムがたくさんあるのに、なぜああいう状態なのでしょうか。有り体に言えば、なぜ衰退を続けているのでしょうか。