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大芦川砂防工事は河川破壊

2006-3-4

●大規模な砂防工事が始まった

大芦川をさかのぼると、一の鳥居付近で東沢と西沢に分かれます。古峯神社方面が西沢です。一の鳥居から西沢を2kmほど遡上したところに滝ケ花橋という橋が架かっています。

滝ケ花橋 

滝ケ花橋の下流に下の写真のような清流を見ることができます。 滝ケ花清流

ところがもう少し下流では河川破壊とも言うべき大々的な砂防工事が行われています。

河川埋め立て1 河川埋め立て2

さっき見た清流はどこに行ったのかというと、開削した右岸部分に迂回させられていました。(写真は下流から撮っています。)

迂回

●東大芦川ダム中止に伴う代替工事だった

東大芦川ダムは、2003年9月に中止になりました。中止に伴う対応として、大芦川の一の鳥居から古峯神社の間で砂防ダム建設工事(正確には床固め工事のようです。)が始まっています。工期は、2005年12月から2007年3月までです。請負業者は、神谷建設株式会社です。工費は約1億4000万円です。入札の状況については、大芦川通常砂防工事入札価格を参照してください。

●砂防工事がなぜ東大芦川ダム中止代替工事になるのか分からない

東大芦川ダムの目的は、鹿沼市の水道用水と大芦川の洪水調節でした。砂防ダムや床固めにそのような効果があるとは思えません。既に東大芦川ダムは不要だったことが証明されたにおいても書きましたが、砂防ダム工事がなぜ東大芦川ダム中止代替工事になるのか分かりません。

東大芦川ダムの目的と無関係な工事が中止代替工事となるということは、建設工事そのものが東大芦川ダムの目的だったということになってしまいます。

●砂防ダム工事で魚類壊滅状態

上記砂防ダム工事で業者が川を岩で埋め立てたために、魚類が大量死したと見られています。

2006年2月15日付け下野新聞は、次のように報道しています。

魚類採捕わずか200匹 業者埋め立てた大芦川

 県営東大芦川ダム建設計画中止に伴う鹿沼市草久の大芦川砂防工事で、工事区域の生態系保護のために魚類を採捕して新たな生息場所へ移す作業が十四日、行われた。工事の請け負い業者が事前に川幅の約三分の二を石で埋め立てた影響で、採捕数は約二百匹にとどまった。県水産試験場は「魚は川の中の定位置から逃げることをしないため、埋められてしまった個体数のほうが多いはず」と分析。西大芦漁業協同組合は「常識外の工事。埋め立てられた範囲に生息していた魚類は壊滅状態」と憤っている。

 砂防工事は、ダム中止の代替策として県が実施する河川改修の一環。昨年末から来年三月までの間、砂防ダム設置と護岸工事を行う。同市内の建設業者が請け負い、事業費は一億四千万円。

 工事区域の大芦川には、ヤマメやイワナ、カジカなどの渓流魚が数多く生息している。今回の採捕作業は、工事による魚類の絶滅を防ごうと、採捕した魚類を工事区域外の上流に放流するため計画された。

 しかし業者は今月上旬、同漁協との事前打ち合わせになかった採捕作業前の埋め立てを行った。採捕区間約百五十メートルの約半分にわたり、十メートルほどの川幅の約八メートル近くを石で埋めた。

●下請会社がなぜ東京の会社なのか

地元の人の話によると、川を無造作に大岩で埋め立てたのは、元請けの神谷建設株式会社ではなく、下請の東京の会社だったそうです。

神谷建設株式会社と言えば、大芦川上流での砂防ダム工事を得意とし、古峯神社より上流の大芦川支流にある、堤長216メートル、堤高14メートルの巨大砂防ダム、地蔵沢砂防ダムを建設した実績を持つ会社ですから、床固め工くらいは東京の会社の助けを借りなくても施工できると思われます。

仮に上記の砂防工事が県民の安全を守るために是非とも必要なものだとした場合の話ですが、せっかく栃木県が国の補助金を導入して発注した地元の工事なのですから、建設業者の得る利益は栃木県内の業者で分け合い、栃木県経済の活性化につなげてほしいというのが県民の気持ちではないでしょうか。

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